口利き疑惑 甘利事務所からの回答なく

追及が本格化しないうちに岸田政権は衆院を解散し、総選挙になだれ込む。=5日、衆院第4控室 撮影:田中龍作=

 岸田政権が総選挙の日程を驚くほど繰り上げた理由がよく分かる写真だ。自民党は野党合同の「甘利口利き疑惑」追及チームが発足することを察知すると、立ちどころに総選挙の日程を早めた。「19日公示、31日投票」が昨日昼前リークされたのである。電光石火の早業だった。

 きょう5日午前、野党がUR(都市再生機構)、国土交通省、法務省から「口利き疑惑」について事情を聴いた。野党は甘利事務所に公開質問状を4日付で送付した。締め切りは5日午前9時30分。野党合同ヒアリングが始まる30分前である。

 質問は「特捜OBに依頼したとされる(甘利側独自の)調査結果を私たち(野党)にも見せて頂きたい」など4項目からなる。結局、甘利事務所からの回答はヒアリングが終わる午前11時になっても届かなかった。

甘利幹事長の地元事務所。遠方だが、URの総務部長らが6回も足を運んだ。=2016年、神奈川県大和市 撮影:田中龍作=

 甘利幹事長がTPP担当大臣だった2016年、明るみに出た口利き疑惑。UR(都市整備機構)発注の道路建設をめぐる補償交渉で、甘利事務所が建設業者の便宜を図り、見返りに現金供与や酒食のもてなしを受けたのである。

 甘利氏が建設業者から事務所で現金100万円を受け取った際(2014年)の写真や音声を週刊文春が公開し、世は騒然となった。

 URが2億3,500万円を建設業者に対して支払っていたことも野党の調査で明らかになった。借地にプレハブを建てただけなのに、移転費用や損傷修復費としてURは建設業者に2億3,500万円も支払ったのである。巨額なカネの動きは、大物政治家の口利きなくしてはありえなかった。

 あっせん利得疑惑としては真っ黒けのケだった。それでも甘利大臣は起訴されなかったのである。検察を支配下に置いていた安倍政権下ならではの揉み消しだった。

 公文書改ざんも含めた揉み消しは、その後も、森友、加計、桜と続いた。

~終わり~

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