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「食団連発足とコストプッシュ型インフレの正体」(前半)三橋貴明 AJER2022.5.3
  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「HAL YAMASHITA東京 エグゼクティブシェフ 社団法人日本飲食団体連合会 副会長 山下春幸」様が加わって下さいました。

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自民党PB議論の内幕 5月19日に何があった?穢された政治主導[三橋TV第555回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/KMGl--j4s2g

 

 

 意外に知られていませんが、日本において一般消費税構想を最初に打ち出したのは、「メザシの土光さん」で有名な土光敏夫が会長を務めていた時代の経団連、税制特別部会です。


 同部会は、1978年12月19日、税率5%、年商1000万円以下は除外する一般消費税構想を明らかにしました。
 

 結果、1979年の大平内閣で、一般消費税の導入が政策課題化し、土光会長が8月13日の記者会見で、
「行政改革など打つべき手はあるが、増税もやむを得ない」
 と、行政改革(緊縮財政と消費税導入をセットで進めるように政府の背中を押したのです。


 ちなみに、土光会長は同年12月6日の記者会見では、
「増税よりも行政改革の実行だ。法人税の引き上げはせっかく上向いた景気や民間の活動の芽を枯らすもので、認められない」
 と、法人税増税に対しては猛烈に反対しています。わかりやすいですね。
 

 政府は緊縮財政。消費税は増税。法人税は減税という現代に至るデフレ税制の基本構造は、土光、大平時代に始まったのです。
 

 その後も経団連は、緊縮財政(特に消費税増税)と構造改革を推進する提言を出し続け、その「政治力」により日本国はデフレが続き、株主資本主義が蔓延。国民が貧しくなる反対側で、一部の者(株主など)のみが富んでいき、日本経済はひたすら凋落していきます。


 かつてはぶ厚かった中間層が没落し、デフレにより所得のパイ(GDP)が拡大しない状況で、国民は過酷な競争を強いられ、奪い合いが続き、勝者が敗者に、
「負けたのは自己責任でしょ」
 と言ってのける、精神的にも貧しい国に落ちぶれたのでした。
 

 その経団連が、大転換しました。

 

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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

第四十回「皇統論 平将門の乱-坂東燃ゆー」「歴史時事 ウクライナ国民共和国」がリリースになりました。

ぜひ、ご入会下さい。

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【中間層復活に向けた経済財政運営の大転換】

  長いのですが、サマリーだけでも読んで欲しい。以下は、サマリーから最も重要と思われる部分を引用しました。

『(前略)2.本報告書の要旨
 図表 1-1 は、現状分析に関する全体のイメージである。まず、需要不足と中間層の衰退が悪循環を引き起こしており、需要不足は弱い消費や投資機会の縮小といった形で現れる。
 家計の経済状況が改善しない状況においては、消費を拡大することは困難である。また、需要が弱い中にあっては、企業は国内で設備投資を行うインセンティブに乏しいため、海外に活路を見出そうとするが、それにより国内設備投資は停滞し、さらなる需要の低迷を招くという悪循環の一因となる。さらに、このような環境下では、賃上げによって雇用者の維持・拡大に努めようというインセンティブも働かない。こうしたマクロの需要不足が、中間層の衰退につながるという悪循環を形成している。
 こうした悪循環に陥ったのは、緊縮的な経済財政運営の継続にある。民需が総じて弱い中、「将来世代へのツケを回さない財政健全化」や「持続可能な社会保障制度改革の確立」を名目に、政府支出を抑制し、増税や社会保険料の引き上げも続けた結果、マクロの需要を押し下げてきた。また、政府支出のうち、公的セクターの賃金や雇用も抑制されてきたことが、中間層の衰退にも拍車をかけた。
 図表 1-2 は、悪循環を起こしている現状を打開するための政策提言に関する全体のイメージ図である。まずは、根本的な原因となっているマクロの需要不足を打開すべく、財政ルールを見直さなければならない。これまで、財政破綻の懸念から、需要不足の中でも財政健全化のため、歳出抑制や増税・社会保険料の引き上げが進められてきたが、わが国のように、自国通貨建て国債を発行する国において、財政破綻の可能性は極めて低く、需要不足の状況の中ではむしろ十分な規模で財政出動をしなければならない。
 財政出動の仕方は様々であるが、その一つとして、新たな価値観に基づく投資の活性化に向けた財政の活用が重要である。設備投資需要を拡大させると同時に、よりよい社会の実現に向けたイノベーションの創出やインフラ整備を進めるべく、長期計画的に財政政策を展開する。政府が長期の計画に基づいて投資し続ければ、企業も新たなイノベーション創出に向けて、国内投資を加速させる。
 財政出動を起点に総需要の拡大を確実に賃上げにつなげ、中間層の底上げを進めることも不可欠である。ここでの「中間層の底上げ」とは、主に低・中所得者層の経済環境の改善を意味している。そのためにまずは、財政拡大による高圧経済を継続することで賃上げ圧力をかけ続けるとともに、雇用流動化を進め、企業間の賃上げ競争を促さなければならない。雇用の流動化にあたっては、法制度の見直しに限らず、民間企業の雇用慣行の見直しも必要となる。また、公共部門の賃上げと雇用拡大により、直接的に中間層の底上げを図りつつ、民間企業においても賃上げせざるを得ない環境にしていくべきである。
 一国のマクロ的な循環に限らず、国内の各地域における経済循環の改善も課題である。財政支出によって各地に供給される資金が、その地域において循環し、経済成長していくことが望ましい。本社機能の分散化、地元企業の経営支援拡大、地域金融機関の役割強化等により、地域内の経済循環を改善させていく必要がある。
 こうした一連の政策により、これまでの「需要不足と中間層衰退の悪循環」から、「需要拡大と中間層の底上げの好循環」へと移行させていく。(後略)』

 「需要不足と中間層衰退の悪循環」から、「需要拡大と中間層の底上げの好循環」への転換。素晴らしい。
 しかも、政策的にもパーフェクト。


 わたくしは経団連を批判し続けてきました。何しろ、「日本をダメにした財務省と経団連の欺瞞」を書いたほどです。


 だからこそ、この度の経団連のピボット(大転換)を心から歓迎すると同時に、ご苦労されたであろう永濱氏や会田氏などに心から敬意を表したいと思います。


 さあ、自民党の国会議員の皆さん。貴方たちの最大の支援者である経団連が、積極財政路線へと大転換を遂げましたよ。それでもまだ、財務省様に従い、国民を苦しめ、亡国に至らせる緊縮財政を支持するのですか?

 

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