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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

日本からの渡航者は228か国・地域で制限、韓国からは174か国。新型コロナの検査をしないせいで、感染者1000人の日本は9000人の韓国より危ない国だと世界から思われている。

2020年03月22日 | 自公政権の拙劣なコロナ対策

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 嫌韓のネトウヨ号泣ものですね。

 安倍政権は、東京オリンピックを開きたいばっかりに、感染者数を少なく見せるためPCR検査を渋っていたら、全世界から東京オリンピックの延期・中止を求められたうえ、日本が国連加盟国全部から入国制限・行動制限を受けるという、取り返しのつかない事態になりました。

 日本からの渡航者に対する入国・入域制限及び入国後の行動制限措置を取っている諸外国及び地域は2020年3月21日現在、228か国・地域となってしまい、174か国・地域の韓国を大きく上回ってしまっているのです。

 内訳は、日本外務省のホームページによると、228国・地域の内訳は「入国・入域制限が行われている国・地域」が149、「入国後に検閲強化や行動制限措置が取られている国・地域」が79となっています。

 ちなみに、日本が承認している国連加盟国って195か国しかないんですよ(笑うしかない)。

 日本人は地球上のどこにも自由に行けなくなってしまいました。

 一方、韓国の内訳は「入国・入域制限が行われている国・地域」が123、「到着後隔離措置を取る国・地域」が18、「検閲強化の措置を講じる国・地域」が33となっています。

これは東京都のHP。いったいどうしたら検査が受けられるのか全く分からない。

 

 

 

 3月10日には、日本からの入国規制国は、「入国・入域制限が行われている国・地域」の28と「入国後に検閲強化や行動制限措置が取られている国・地域」の62を合わせて90か国・地域で、韓国(107か国)よりも17も少なかったのに、大逆転です。

 ちなみに、2月26日の時点では、日本に対して入国制限措置を取っていた国は僅か8カ国と地域に限られており、入国後の行動制限(観察措置)が行われている国は6か国、そして入国時の医療検査措置が行われている国は2か国のみで、全部あわせて16か国でしたから、一か月もたたないうちにこれが14倍になってしまったわけです。

 これに対して、韓国の場合は、渡航者を禁止もくしは制限する国が43か国、検疫強化や隔離措置など入国手続きを強化した国・地域が21カ国で、合わせて64か国・地域が韓国に何らかの規制を掛けていたんです。

 一か月前に比べて、世界は完全に、韓国よりも日本の方が危ない国だと烙印を押したのです。

 

 3月20日午後7時基準で感染者が8652人の韓国に対して日本は969人(クルーズ船感染者712人を除外。21日には1007人に)と圧倒的に少ないのです。

 また、死亡者数でも韓国の102人に対して日本は34人(クルーズ船の7人を除外)と3分の1にすぎません。

 それなのに、世界各国が韓国よりも日本からの入国に厳しい対応を取っているのは、日本のPCR検査数が韓国に比べて圧倒的に少ないことにより、日本の実態が不透明と思われていること、そして日本の検査件数に比べて感染率が高いことや致死率が高いことなどが影響しています。

 

今や世界標準になった韓国のドライブスルー検査。

 

 

 新型コロナに対する現在のところ唯一の検査であるPCR検査について、韓国では一日1万から1万3千件実施していますが、日本は3月10日の1884件が過去最多で、3月に入ってもまだ1000人検査しない日の方が多いのです。

 韓国の大統領府(青瓦台)のホームページにはPCR検査数が示されるようになっていますが、それによると、韓国は3月20日現在、累積検査数が31万664件で、感染率は2.73%です。

 これに対して日本は、累積検査数が1万4072件で、韓国の4.5%。20分の1にもなりません。

 そして、感染率は韓国よりも4%も高い6.75%となっています。

 また、3月20日現在で言うと、日本は感染者969に対して死亡者34人なので感染者28人うち1人の死亡者を出している計算となるのですが、韓国は8652人の感染者に対して死亡者は102人ですから、感染者84人に死亡者1人の割合で、ちょうど日本の3分の1しか死亡していないことになります。

韓国の「新型コロナ感染」対応中央災難安全対策本部会議。日本と「できる感」が全く違う。

 

 

 もちろん、日本では重症者しか検査しないので、どうしても発見した感染者の中で死亡率が高くなるのですが、とにかくそれを差し引いても、徹底的に検査をして感染者が多く見える韓国の方が、検査をしないがゆえに感染者も少ないのであろうと推測されてしまう日本よりも、ずっと信頼されるようになってしまいました。

 なにしろ、韓国ではもう200人に1人以上が検査を受けています。日本では、皆さんの周りで検査を受けた人なんていないでしょう?

 しかも、韓国の感染者の増加は日に日に減って、2月末の10分の1になっていますが、検査を徹底しているからこれは国際的に信用されています。

 ところが、今や毎日の感染者の増加実数が韓国と同程度の日本は、検査を韓国の20分の1もしていないので、本当はその背後に莫大な感染者の増加があるのだろうと思われています。

 

 いま、日本が検査の数を増やせないのは、オリンピックのために隠しているということ以上に、大量検査をする能力も無く、感染者を病院に収容する能力も無く、法律で無症状者や軽症者は自宅隔離・自宅療養で対応するという柔軟性もないことが理由だと思われます。

 今の法制度では、指定感染症に指定した新型コロナに感染していることが分かったら、どんなに軽症でも入院させないといけないからです。

 応急措置としては、新型コロナを指定感染症から外す。中期的には、指定感染症であっても、さまざまな療養が可能なように法改正すべきです。

 でも国際的にはこんなにも検査をしないのは、オリンピックのための感染者数隠しと思われています。

 安倍政権の元、日本は世界的に信用を失ったのです。

 

 

 この数日、世界各国のオリンピック連盟や競技連盟から、東京オリンピックの延期・中止を求める声が相次いでいますが、各国での新型コロナまん延と共に、日本に対する不信がこの結果を招いていることは明らかです。

 これまで、国内でさんざん公文書を改ざんし、GDPや賃金の上昇率など経済データまでねつ造してきた安倍政権の体質のために、日本はかけがえのない「世界からの信用」という財産を失いました。

 人口で韓国の倍以上、GDPで3倍という日本。

 にもかかわらず、日本が世界から不要とされたのです。

 この損失こそが、安倍政権の外交上の大罪の最たるものと言えるでしょう。

 

関連記事

新型コロナの検査数、やはり日本は少なすぎる。人口100万人に対して日本80人、台湾676人、韓国4831人、中国2820人、イタリア1420人、イギリス450人、ロシア532人。

橋下徹氏が西村康稔新型コロナ対策担当大臣に「モーニングショーに文句を言われようが、新型コロナの検査数は絶対絞ってください。テレ朝に負けないでください」(呆)。

野球やサッカーじゃないんだから、素直に韓国や台湾に学ぼう!韓国が新型コロナの抑え込みに成功し、とうとう最盛期の12分の1、2桁に感染者の増加を抑えた。

新型コロナ。韓国は検査数25万、感染者数8千、死者72人(死亡率0・9%)。日本は検査数1万2000で、感染者数800、死者22人(死亡率2・8%)。医療崩壊しているのは検査も受けられない日本だ!

 

 

しかも、検査数を絞る理由が医療崩壊を防ぐということだったのに、日本の20倍も検査している韓国の死亡者数が日本の3倍、死亡率は日本の3分の1。

ネトウヨが言うのと裏腹に、韓国の医療が崩壊していないことは明らかです。現在、韓国では、新規感染者数も激減して退院者数が新規感染者数を上回っているのですから、韓国全土で医療崩壊が起きているわけがないのです。

そして、韓国は検査ができて、日本だけ検査したら医療が危ないだなんて、まさしく国際的な恥をさらすようなものです。

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<新型コロナ>PCR検査、日本2万件 なぜ増えない? 高齢者ら受診優先 医療崩壊を回避

2020年3月18日 東京新聞朝刊

 
 新型コロナウイルス感染の有無を調べる検査を巡り世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、各国に徹底的な検査を実施するよう呼び掛けました。日本のPCR検査の件数は一日千件台。韓国やイタリアのように件数が増えないのはなぜでしょうか。 (村上一樹)

 【関連記事】「検査、検査、検査」 WHO事務局長は徹底求める
 Q 患者の鼻の粘液などにウイルスが含まれるかどうかを判定するPCR検査を、日本では何件実施できるの?

 A 厚生労働省は、十五日現在で一日に七千五百件以上できるとしています。でも実際の実施件数は検査に保険が適用された六日以降も、おおむね一日千件台で推移しています。

 Q 韓国やイタリアの実施件数は?

 A 八日現在の累計で比較すると、日本がクルーズ船を除き約二万一千件なのに対し、韓国は二十一万件と約十倍。イタリアも約五万件と倍以上です。

 Q 韓国では、なぜそんなに検査できたの?

 A 病院の屋外にテントを建て、防護服を着たスタッフが発熱など症状のある市民の検体採取に応じています。車に乗ったまま検体を採取する「ドライブスルー方式」も導入し、一日の検査件数は一万件を超えました。感染発見後の早期の隔離、治療に努めていると言えます。

 Q 日本で件数が増えないのはなぜ?

 A 政府の基本方針は、地域の患者が大幅に増えた場合、軽症者は自宅での安静、療養を原則としています。死者や重症者を出さないため、高齢者や基礎疾患がある人の受診を優先するためという理由です。

 イタリアでは感染が爆発的に広がり、医師、看護師が対応しきれない「医療崩壊」が起きて死者が急増しました。日本でもベッド数の不足や、医師や看護師への感染が起きないようにする必要があります。

 加藤勝信厚労相は「検査を抑制しているわけではない。必要な検査ができるよう努力していく」と説明しています。医療崩壊を防ぎつつ、必要な人には適切に検査できる態勢にすることが求められます。

 

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2 コメント

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天災か? 人災か? (なごやん)
2020-03-22 08:40:39
公平に見て、韓国のやり方は世界の模範になりうるが、日本をマネするような国はないでしょう。

ところがいまだに、
「大事なのは検査じゃなくて死者をださないこと」
「医療を知らない素人が無知なコメントを繰り返している」
「検査ばかりすると病院クラスター(集団感染)になる」
という右派からのいやがらせコメントは増加傾向にある。

コロナ禍自体は「天災」だとしても、検査を意図的に抑えるのは「人災」になる。
Unknown (ラベンダ)
2020-03-25 00:39:12
申し訳ありませんが、宮武さん、今回ばかりは当記事への支持はできません。
そもそも、日本人を入国拒否した国々は(情報が外務省のホームページ頼りが癪ですが)、日本や韓国などの感染地域に限らず、あらゆる外国人の入国を拒否するという(飛行機まで拒否する国も)江戸時代的な完全鎖国の方針を打ち出しているのも多いので、単純にどちらの国がより信頼されているかの問題ではありませんし、すべきでもありません。
むしろ世界中(フランスやイギリスのようないわゆる先進国も含め)で生活必需品の買い占めやコロナに便乗しての外国人排除などが発生しており、「正しく恐れる」を越えて「フォビア」にまで発展しているのが実情で、そちらへの警戒心を抱いておくべきかと。
(もちろん経済的に医療処置が困難な国々があるのも事実だとは認識していますので悪しからず)

ちなみに外務省の詳細ページは以下です。
(https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html)

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