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「財務省が掲載している決定的な証拠」(前半)三橋貴明 AJER2022.6.14
  

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電力使用制限令と防衛税!?いい加減にしろ、日本政府![三橋TV第559回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/hlqc8KzYlDw

 

 かつての日本の電力サービスは、大手電力会社が発電から小売りまでを一貫して手掛け、総括原価方式の下で長期の利益を見込め、それゆえに発電に対する長期投資が可能となり、世界一と言っても過言ではない水準を誇っていました。

 

 政府が「節電要請」するなど、当時は全く想像もしていませんでしたよ。


 安定的な経営環境の下、電力会社は発電を多様化し、状況(LNG価格など)に応じて使い分け、国民に安価で安定的な電力サービスを提供していたのです。


「いや、日本の電力サービスは競争が無かったが故に、国民は高い電気代を支払わされていた」
 と、主張する人は、「自由化」されて以降の日本の電気代の値上がりを、どのように説明するのでしょうか? というか、マジで説明しろ。電気代高騰どころか、もはや安定供給すら不可能になったぞ。

【日本の電気・ガス代(2020年=100)の推移】


http://mtdata.jp/data_79.html#denki

 愚かな安倍政権は、「競争を増やせば、価格が下がる」という電力自由化論者の「嘘」に基づき、発送電分離、小売り自由化など、一連の電力「改革」を実施。


 結果的に、発電部門に投資するリスクは高まり、老朽化火力が廃止されていくこともあり、このままでは我が国は単純に発電能力が足りない発展途上国と化します。

国内の火力発電所 廃止や休止相次ぎ 5年で供給力540万世帯分減
 この夏、7年ぶりに節電要請が行われるなど、国内の電力需給が厳しくなる中、この5年間で火力発電所の供給力がおよそ1600万キロワット540万世帯分、減ったことがわかりました。再生可能エネルギーの普及で採算が悪化したことを背景に、火力発電所の廃止や休止が相次いでいて、専門家は、安定供給に向けて国が、より強く関与すべきだと指摘しています。(後略)』

 しかも、経済産業省によると、2021~2030年度の十年間に、火力発電の出力は約1300万キロワット分減るとのことです。さらに400万世帯分の供給力が消滅する。


 それはまあ、競争を激化させ、安定的な投資環境を破壊し、大手電力や新電力が、安心して発電所に投資できる環境を構築しなかったわけですから、こうなって当たり前です。


 ちなみに、昨今の資源価格高騰を受け、九州電力は東京ガスと組んで進めていた千葉のLNG火力発電所建設計画から撤退しました。理由は、
「採算が取れない」
 ということなのですが、そうなのですよ。民間企業にとって、採算が取れない事業に投資することは非合理的なのです。

 

 現在の日本政府のエネルギー政策はコロコロ変わるため、長期で回収する発電所への投資はリスクが高い。さらに、資源価格上昇が続く以上、民間は「儲からない」という理由で発電所に投資をしない。レントシーキングをやっていた新電力は、次々に撤退。さあ、どうする? 日本政府? 電力自由化論者たち? 


 どう考えても、一連の電力改革について「間違っていた」と、総括し、方向を転換する(=政府の関与を強める)必要があるでしょ。

 

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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

第四十回「皇統論 平将門の乱-坂東燃ゆー」「歴史時事 ウクライナ国民共和国」がリリースになりました。

ぜひ、ご入会下さい。

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 一つだけまともな動きがあるのですが、大手電力会社が「もはやこれまで(その通りですが)」と、原発再稼働を進めています。

川内原発2号機 11日起動し13日に発電再開へ 九電が発表
 九州電力は、定期検査のためことし2月から運転を停止している薩摩川内市にある川内原子力発電所2号機について、今月11日に原子炉を起動して13日に発電を再開すると発表しました。(後略)』

関電 美浜原発3号機 運転再開2か月程度早め8月中旬と発表
 関西電力は運転開始から45年が過ぎた福井県の美浜原子力発電所3号機について、ことし10月中旬に計画していた運転再開を2か月程度早めると発表しました。(後略)』

島根県知事、中国電力に再稼働同意伝達 島根原発2号機
 島根県の丸山達也知事は14日、中国電力の清水希茂社長に対し「島根原子力発電所2号機の再稼働は現状ではやむを得ない」と同意を伝えた。(後略)』

 問題は、東電の柏崎です。柏崎原発を動かさない限り、今年の冬を乗り切れない可能性がある。冬にブラックアウトが起きたら、確実に死者が出ます。


 それにしても、内閣は相変わらず「検討する」を続けているにも関わらず、何となく現場で原発が動き始めているのは不思議な感じです(別に、違法でも何でもないですが)。総理の地元の広島県も、結局、島根原発の電気に頼ることになるわけですな。


 政治家は、責任を取ろうとしない。現場が、懸命に「何とかする」べく動き、何とかしてしまう。
 日本の歴史的な「良い面と、悪い面」を目の当たりにしている感が強いのですが、皆様はどのように思われました?

 

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