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「全ての歴史がイギリスから動く(前半)」三橋貴明 AJER2020.8.10
令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。
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令和2年9月19日(土) 三橋経済塾第九期 第9回講義(一般参加可能です)
会場:名古屋
ゲスト講師:ノンフィクション作家 河添恵子先生
https://ws.formzu.net/fgen/S78662785/
エグイ!地獄! 重税国家、日本国を変えようよ! そのためには・・・ [三橋TV第281回]
本日は、安倍政権の緊縮財政がテーマです。これは、極めて重要な問題で、何しろ、未だに、
「安倍政権は放漫財政だった」
と、嘘のイメージをすり込まれたままの国民が少なくありません。となると、次の政権は、
「我々は放漫だった安倍政権とは違う。ムダを切り詰め、国の借金を返済する」
とか何とか言った方が「支持率が上がる」ことになりかねないわけです。つまりは、日本国民は自分の首を締め上げるロープを引っ張る政権を「欲する」という話です。
実際には、安倍政権が大々的な財政拡大をしたのは、2020年度だけです(2013年度も、大したことがないといえば、大したことがない。それ以降よりマシなだけ)。
というわけで、緊縮関連の安倍総理のレガシーをまとめておきます。
まずは、中長期的なマクロなデータから。
【主要国の2018年の自国通貨建てGDP・政府支出(対2001年比)】
http://mtdata.jp/data_70.html#IMF
日本は二十一世紀に入り、主要国の中で、唯一、政府支出を全く増やさず、「結果的」にGDPも増えなかったという(当たり前)愚かな国です。第二次安倍政権発足以降も、この傾向が変わったわけではありません。
何と、日本は「あの」ガチガチの狂信的な緊縮国であるドイツよりも、政府支出を増やしていないのです。
ドイツ人もびっくり!という感じです。
【日本とドイツの政府支出の推移(2001年=1)】
http://mtdata.jp/data_71.html#NICHIDOKU
つまりは、少なくとも日本は「世界の主要国と比べれば、緊縮的」です。これを否定することは、誰にもできないでしょう。
その上で、安倍政権を過去の政権と比べてみましょう。
【日本の新規国債発行(当初予算・実績)の推移(億円)】
http://mtdata.jp/data_71.html#shinki
安倍政権は、少なくとも2019年度までは、新規国債発行額を絞り込んでいきました。プライマリーバランス黒字化目標を掲げている以上、当然ですが。
2020年度の「実績」は、ご存じの通り、補正予算により新規国債発行額が拡大していますが、少なくとも2019年度までは「緊縮」だったのは明らかです。
【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※特別コンテンツ、近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実~奪われた勝利への道~】が視聴可能となりました。
プライマリーバランスとは、
「国債関連費(償還、借り換え、利払い)を除く、政府の財政支出」
という定義になります。
というわけで、プライマリーバランスが赤字であることは、
「政府が新たに国債という「貨幣」を発行した」
ことを意味します。
貨幣とは、誰かが借り入れをしない限り、増えません。皆さんの銀行預金は、政府、企業、家計などの経済主体が、過去に銀行から借り入れをしたからこそ、皆さんの手元にある貨幣なのです。
政府の国債発行は、政府支出を経由して、国民(企業、家計)の手元に銀行預金という貨幣をもたらします。
特別定額給付金、持続化給付金を受け取った国民は、理解したはずです。政府が国債を新たに発行すると、皆さんの銀行預金が増えるのです。
というわけで、安倍政権が2013年6月以降に掲げ続けたプライマリーバランス黒字化目標は「国民赤字化目標」そのものなのです。
プライマリーバランスの赤字は、政府の貨幣発行、皆さんの預金増加。ということは、プライマリーバランスの黒字化は、政府の貨幣回収、皆さんの純資産収奪になります(本当に、そうなります)。
【2020年7月版 プライマリーバランスの試算(対GDP比)】
http://mtdata.jp/data_71.html#PB
安倍政権は、未だにプライマリーバランスの黒字化目標を破棄していません。現時点では、2029年度達成という「予定」になっています。
2013年度以降のプライマリーバランスを見ると、19年度にかけ、猛烈な勢いで縮小していったことが分かるでしょ?
まさに、安倍政権は戦後最大の、あるいは「最悪」の緊縮政権だったのです(2020年度に崩れましたが)。
この事実を、早期に国民が共有しなければなりません。
さもなければ、2020年度のPB赤字拡大もあるため、
「安倍政権は放漫財政だった! 我々は安倍政権とは違う。ムダを削り、政府の予算を切り詰める!」
といった「次なる政権」が誕生すること確実な情勢なのでございます。
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