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「財政破綻のプロセス」(前半)三橋貴明 AJER2022.1.4
    

 

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デラシネの貧困 このままでは「ジョーカーの日本」になるぞ [三橋TV第495回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/IS3Pk7SiFHg

 


 さて、経済財政諮問会議に内閣府の「中長期の経済財政に関する試算(2022年1月)」が掲載されました。

 わたくしが本試算を毎回、取り上げるのは、
1.過去のプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)の結果が分かる
2.政府がPB赤字圧縮という妄想の下で、何を仕かけてくるか分かる
 ためでございます。


 当たり前ですが、誰かの黒字は、誰かの赤字。政府がPB赤字を削減し、黒字化すると、反対側で国民(※企業含む)の黒字が削減され、赤字に向かいます。
 PB黒字化目標とは、国民赤字化目標なのです。
 

 というわけで、そもそもPB黒字など目指してはならない。というか、昨日のエントリーでも解説しましたが、本気でPBを黒字化したいならば、バブル期並みに景気を良くすればいい。
 民間企業がカネを借りまくる状況をつくれば、PBは黒字化します。


 ところが、政府は景気を悪化させる短期のPB黒字化路線にこだわり、増税、歳出削減を繰り返す。となれば、PBが黒字化するはずがありません。


 そして、それで良いのです。PB赤字が続く限り、財務省は、
「PB赤字を圧縮するためには、この予算は削らなければならない」
「増税しなければならない」
 と、予算の査定権、徴税権をフルに行使することが可能となります。

 

【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(後編)】

現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (後編)」がご視聴頂けます。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

『基礎的財政収支“高めの経済成長で2026年度黒字化”内閣府試算
 内閣府は、財政の健全化を示す「基礎的財政収支」について、高めの経済成長を前提にした場合、これまでの想定より1年早い2026年度には収支が黒字化するという、最新の試算を示しました。さらに、歳出改革を続ければ、政府が目標とする2025年度の黒字化も可能だとしています。
 内閣府は、14日の経済財政諮問会議に、政策に充てる経費を国債などに頼らず税収などでどれだけ賄えるかを示す「基礎的財政収支」という指標の最新の試算を示しました。(後略)』

 というわけで、内閣府の妄想ならぬPB試算をグラフ化しました。

【日本の基礎的財政収支の推移・試算(対名目GDP比%)】


http://mtdata.jp/data_78.html#PB2201-1


 内閣府の試算では、2023年度に対前年比で5%弱という凄まじいいPB赤字圧縮が行われることになっています。


 さすがに、内閣府の官僚も来年度(つまり、今年)のPB赤字を一気に圧縮することは、妄想としても書けなかったのでしょう。というわけで、2023年度に(何ら根拠なく)PB赤字を圧縮することにして、
「成長実現ケースなら26年度にPB黒字化達成ですよ」
 と、鉛筆なめなめをしているわけです。

 バカバカしい限りです。
 そもそも、現在の日本がPB赤字を圧縮することは、有害無益なのです。

【日本のプライマリーバランス赤字額(左軸)と長期金利・インフレ率(右軸)】


http://mtdata.jp/data_78.html#PB2201-2

 取りあえず、2020年度のPB赤字額が、昨年7月の想定(56.4兆円)より大幅に下がっていたことに怒りを禁じ得ません。無論、税収増分もあるのでしょうが、繰越額の肥大化が主たる理由でしょう。


 21年度の42.7兆円も、どこまで減らされるか分かったものではありません。
 

 いずれにせよ、20年度、21年度と、リーマンショック期や東日本大震災期を超えるほどのPB赤字額になったにも関わらず、金利はゼロ。インフレ率はマイナス。


 いったい、なぜPB赤字を削減し、PB黒字化を目指す必要があるのか? 誰か、教えてほしい。
 しかも、財政破綻論者たちさえ、
「自国通貨建ての国債の債務不履行は起こらない」
 ことを認めざるを得なくなったこの状況で。
 心底から思います。日本のPBを巡る議論は、真の意味で「狂気の議論」であり、第三者から見たら「爆笑ものの喜劇」以外の何物でもありません。

 

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