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『現金給付10万円から解る貨幣の真実』(後編-1)』三橋貴明 AJER2020.6.2

    

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自民党の消滅 日本で語られたことがない権利・権力・国家・政治の話[三橋TV254回]
※本動画は6月26日のお昼に視聴可能となります。
 
 お待たせいたしました。KKベストセラーズ「自民党の消滅」書籍版が、ようやく刊行になりました。

 本書籍は、元々は5月に発売されるはずだったのが、コロナ禍で取次や書店が業務停止となってしまい、発売延期となったものです。

 上記の高家さんとの動画は、三橋経済塾札幌講義の翌日に撮ったものですが、動画内で取り上げているアメリカのシアトル自治区は雲散霧消となったようです。
 
米シアトルの「自治区」、デモ隊の多くが退去 指導者明かす

(CNN) 米ワシントン州シアトルに設置された「自治区」の事実上の指導者は24日、デモ隊の多くが既に退去したことを明らかにした。シアトル市長は数日前、退去を求める説得に乗り出す方針を示していた。

 デモ隊が占拠した地区は「キャピトルヒル自治区(CHAZ)」または「キャピトルヒル組織的抗議(CHOP)」と呼ばれる。関連団体はツイッターに声明を発表し、「愛するCHOPにはほとんど誰も残っていない」と述べた。
 声明は「キャピトルヒル占拠抗議連帯委員会」の署名入りで、「CHOPのプロジェクトは終結した」としている。(後略)』
 
 例えば、食の安全が理由で、地方などで独自の「コミュニティ」を作り、「自分たちだけは安全なものを食べることができる共同体」を作ろうとする運動があります。
 それ自体を否定する気はないのですが、自治区を気取って、自分たちだけの食の安全を確保するというならば、「防衛」「防災」「医療」「防犯」「消防」「教育」といった分野についても、自前でやらなければなりませんね。

 普段は、
「自分たちはもう、日本国家とは関係ないからさ」
 などと、自治区を気取っておいて、非常事態(災害、侵略、病気、負傷など)が発生した際には、「自分たちは日本国に救われる権利がある!」といった発想は、そりゃ通りませんよ。

 あるいは、スコットランドの連合王国からの独立運動。あれですかね、スコットランドの独立派は、独立し、いざというときは「連合王国と戦争する」覚悟があるんでしょうかね。独立するとは、そういうことなのですよ。

 結局のところ、
「我々一人一人の権利を守る」
「高い生産性で財やサービスを生産する」
「非常事態に際した安全保障を確保する」
 少なくとも、上記三つの理由から、反国家主義者の皆様には大変残念なことに、国家は必要なのです。日本国民には、日本国家が必要なのです。
 
 わたくしは、別に国家主義者ではないので、「国民が主権を持つ国民国家」以上に素晴らしい共同体のシステム、権利が守られ、生産性が高まり、安全保障が確保される共同体があるというならば、別にそれでもかまいません。

 とはいえ、今のところ人類は「国民が主権を持つ国民国家」以上の制度を発明していないのです。われわれは、それほど頭が良くない。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
評論家・中野剛志世先生の「通貨論争史 イギリス編」がご視聴頂けます。

 

 本書自民党の消滅は、アンチ自民の本ではありません。このまま日本がグローバリズムを推進していくと、ナショナリズムが破壊され、民主制が維持できなくなり、政党が不要になり、自民党が消滅するという「歴史的な事実」を書き記したものです。

 先述のように、わたくしたちは主に三つの理由から、国家を必要としています。
 
1.権利を守る
 我々の権利は、所属する共同体が認めてくれているからこそ、存在しています(人間が生まれながらにして何らかの権利を所持しているわけではありません)。
 そして、我々の権利を維持するためのルール(法律)を定め、ルール順守を強制するのが権力で、現在は「国家」という形をとっています。
 別に、国家がなくても構わないのですが、我々の権利を認めてくれる何らかの共同体が必要なのは疑いありません。
 となれば、国民一人一人が(一億分の一以下とはいえ)主権を持つ「国民国家」という共同体の在り方は、ベストとは言いませんが「まあ、マシな方じゃない」と思わざるを得ないのです。
 同時に、我々は「同じ国民の権利を守らない限り、自分の権利も守られない」という事実について理解しなければなりません。自己責任だ、クレクレ乞食だの、他の国民を見捨てることは、自らを殺しているのと同じなのです。
 
2.生産性
 我々人間は、個別の「生産能力」が極めて小さく、自分一人では「豊かな生活」など望むべくもありません。
 というわけで、我々は分業し、専門特化し、生産性高く財やサービスを生産。お互いに生産し合った財・サービスを消費することで、個別の需要を満たし合っているのです。
 つまりは、生産性という問題からも、何らかの「経済的なつながりを持つ共同体」は必須という話です。
 無論、「外国」の生産能力を利用しても構いませんが、今回のように「非常事態」になると、利用不可能になります。
 フリードリヒ・リストの言う「生産諸力」のためにも、国家(あるいは、生産性が高まりやすい共同体)が必要なのですよ。
 
3.安全保障
 人間という生物は、極めて脆い存在です。大震災や巨大台風といった自然災害や、外敵に侵略といった非常事態に、一人で立ち向かうことができますか。
 もちろん、できません。
 というわけで、我々は国家という共同体を維持し、安全保障サービスにリソース(人材など)を投じ、非常事態に備えなければならないのでございます。
 
 権利を守る共同体が存在しない、一人で全てを生産しなければならない、非常事態において誰にも頼ることができない。
 
 国家を否定するとは、「そのような状況」を欲するという話になりますが、その場合はホッブズがリヴァイアサンに書いた通り「万人の万人に対する闘争」の世界に突入するでしょう。あるいは「ロビンソン・クルーソー」の無人島そのままですね。

 この種の「世界の現実」について、日本国民は教育を受けていない。結果が、現在の混迷と衰退であると確信しています。
 
 というわけで、わたくしは大著自民党の消滅を刊行し、大東亜戦争敗北後の日本で語られたことがない権利・権力・国家・政治について、本当の話を書いたのです。現実が分からないと、解決できませんからね。
 
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