代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

『季刊地域』(2020年春号)に拙稿「ダムのために堤防は壊れる」掲載

2020年04月02日 | 治水と緑のダム
 今月発売された『季刊地域』(2020年春号、農文協)に拙稿「ダムのために堤防は壊れる」が掲載されています。
 昨年の台風19号水害でなぜ140カ所もの堤防が壊れたのか、堤防が壊れやすいまま放置されているのは、上流にダムを建設する口実を確保するためであるという、このブログでも訴えてきたことをまとめたものです。本文中の一節を引用します。

 堤防が、計画高水位を超えても破堤しないのであれば、上流にダムを建設する理由がなくなってしまう。国交省がダムを造り続けるためには、堤防は計画高水位を超えると破堤する脆弱な構造でないと困るというのだ。(中略)
 納税者としては考えたくない、信じたくないことだが、ダム利権のために日本の堤防は決壊しやすい構造のまま放置されているのだ。


 特集は、植林特集で、こちらも面白いです。荒れ放題の針葉樹を、季節の花が咲く針広混交林に転換していく試みや、水害に強い直根性の樹木の植栽、シカ害対策など魅力的な情報いっぱいです。




 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【書評】小栗さくら著「波紋... | トップ | 【近刊書紹介】日本を開国し... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
長江の汚染 (ワタン)
2020-04-05 10:52:14
元参議院議員の浜田和幸氏は、ジョージ・ワシントン大学のPhD(政治学)をもつ興味ぶかい人物です。
氏の情報源は多彩で、当否の判断にまよふこともありますが、3月26日付けのブログには唸りました。
巨大な三渓ダム建設によつて、長江の魚介類の生態系が変つて、ウイルスに汚染されたのせうか。
https://biz-journal.jp/2020/03/post_148508.html
興味深い記事ありがとうございました (関)
2020-04-13 23:34:12
ワタン様
 
 ご無沙汰しております。興味深い記事の紹介ありがとうございました。三峡ダムとコロナウィルスの因果関係については、私の知見の及ぶ問題ではありません。が、三峡ダムが地震の誘発、希少種の絶滅、その他、巨大な災厄を及ぼす存在であることは間違いありません。被害が拡大しないうちに、できるだけ早期に撤去すべきシロモノと思います。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

治水と緑のダム」カテゴリの最新記事