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【新番組】「安藤裕と三橋貴明の日本経済論 第一話」(前半)三橋貴明 AJER2020.5.5

    

 

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日本史上最大のピンチ! 最悪にヤバイ! 日本企業を中国資本に売り渡す銀行法改正 [三橋TV第390回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/rJmWHSbvmwg
 

 結局のところ、竹中平蔵やデービッド・アトキンソンは「何」をしたいのか?
 かつて、アメリカで猛威をふるった「垂直統合」モデルを日本でもやろうとしているのです。


 株主資本主義が蔓延し、大企業(上場企業)は中長期の技術投資、研究開発が困難になっていきました。
 中長期の投資は、「短期的な自分の利益」を求める株主の意向に沿わないわけですね。


 となると、どうすればいいのか?
「買ってくればいいじゃん」
 というわけで、ございまして、
「技術力が高い中小企業を「安く」買い、高く売る」
 M&Aビジネスがアメリカで勃興。中小企業は「金融商品」と化し、M&A会社がデューデリジェンスやコンサルティングでぼろ儲けする


 代表的な禿鷹さんは、アトキンソンさんが元々は(今も?)在籍していたこちら。

ゴールドマン、日本で銀行免許申請 収益源の多角化狙う
 米金融大手ゴールドマン・サックスが日本の金融庁に対し、銀行業務の営業免許の申請手続きに入ったことが13日、明らかになった。2020年にも法人顧客向けの資金管理業務を世界で展開する計画で、事業基盤を整える狙い。かつての稼ぎ頭で金融商品の売買を仲介するトレーディング事業が低迷しており、収益源の多角化を目指す動きが加速してきた。
 ゴールドマンのソロモンCEOは商業銀行事業の拡大を目指す=ロイター
米ゴールドマンの日本法人はM&A(合併・買収)助言や債券の引き受け、トレーディンなど伝統的な投資銀行業務を中心に展開している。近年は資産運用業を軸にした商業銀行事業の展開に向けた手続きを進めている。(後略)』

 上記は2019年の記事でございます。この話は安倍政権期から、すでに始まっていたのです。
 なぜ、「銀行業務の営業免許」が必要なのか。
 先日、衆院を通ってしまった「銀行法改正法案」を知れば、全容が見えてきます。

地域金融に事業多様化促す 「統合も選択肢」 自民提言
 自民党金融調査会の地域金融に関する小委員会(片山さつき委員長)は、収益源の多角化や事業再編を地方銀行などに促す提言をまとめる。近く政府に示す。
 地域金融機関に関して預金の貸し出しで収益をあげる経営は「収益低下が著しく限界にある」と指摘する。経営統合を「一つの有力な選択肢」と明記し、事業再編で経営を強化すべきだと唱える。
 今国会には銀行法改正案が提出されている。地域の活性化をめざす企業に地銀が投資子会社を通じて全額出資を認める内容だ。金融庁の認可を得れば、銀行子会社がシステム販売や広告業、人材派遣業に自由に参入することもできるようになる。(後略)』

 「地域の活性化をめざす企業」だとか「地域金融の事業多様化」などと綺麗な言葉で誤魔化していますが、やりたいことは、
「技術力に秀でた中小企業に、銀行が出資し、M&Aを推進する」
 だけに過ぎません。複数の会社を束ね、不要部門、不採算部門、重複部門を切り捨て、上場企業に「高く」売り飛ばす。

 

 記事では「地銀が」となっていますが、銀行免許を持つ企業は(外資含め)全て「100%出資」が可能になります

 と言いますか、そもそも地銀は「淘汰」の対象です。何しろ、地方銀行が中小企業を助けてしまったら、M&Aができないじゃないですか(だからこそ「地銀再編」も進められている)


 かつて、上場企業で行われた禿鷹ビジネスを、今度は中小企業を対象に展開する。


 これまでは、銀行は非上場の中小企業に5%、15%しか出資ができませんでした。それを、100%にする。もちろん、外資規制はなし。
 これが、銀行法改正の肝です。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

お待たせいたしました。【三橋貴明×関良基】歪められた「開国」の歴史 後編〜日本が清・インドのように植民地にならなかった本当の理由 が公開になりました!

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

 

 銀行法改正と同時に、中小企業を追い込む「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」も成立に向けてひた走っています。


 垂直統合モデルは、確かに「短期」的には上場企業に利益をもたらします。とはいえ、その後は?


 技術力に秀でた中小企業は、上場企業の「部門」となり、それまでの開発力を喪失することになります

 

 そもそも、中小企業の技術力は「短期の利益追求」ではなく、オーナー経営者の長期的な視点の賜物です。上場企業の「部門」になると、短期の利益にならない技術投資は不可能となります。


 M&Aによる垂直統合という「寡占化」は、技術革新を終わらせるのです。
 

 珍しく、日経が上記の問題を取り上げていました。

進む寡占、技術革新に影 研究開発費の伸び半減 チャートは語る
 日米欧で上位企業による寡占が進んでいる。過去25年間で、日米欧の各業種のトップ3社の増収率は4位以下に対して約30ポイント上回った。上位企業は長引く金融緩和を背景にライバル企業や新興企業のM&A(合併・買収)を加速。寡占化に伴う競争のダイナミズムの低下が研究開発費の伸び悩みなどの形で技術革新のペースを鈍らせ、経済成長を制約する要因の一つになっているとの見方も出ている。(後略)』

 日経がグラフを掲載していますが、世界全体のM&Aは2001年-05年の10兆ドルから、16年ー20年には20兆ドルと倍増。
 反対側で、研究開発費の伸び率は40%から20%に落ち込んだ。
 

 つまりは、アトキンソンらが進める中小企業「改革」は、
「将来のために研究開発、技術投資を続ける中小企業」
 という「日本経済のコア・コンピタンス」を破壊することになるのです。


 それにも関わらず、銀行法改正や中小企業「改革」法案はまともに審議されず、メディアで報じられることもなく、恐るべきスピードで進められている。
 

 現在の日本が「史上、最大・最悪の危機」であるとは、別に大げさな表現ではないのです。
 

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