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『現金給付10万円から解る貨幣の真実』(後編-1)』三橋貴明 AJER2020.6.2

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。
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【一般参加可能な後援会のお知らせ】
三橋経済塾 第九期 第六回講義 令和2年6月20日(土) TKP札幌カンファレンスセンター
※三密を回避するため、広めの会場で人数を絞った開催となるため、お申込はお早めに。

 

三橋TV第244回【緊縮財政主義者 小林慶一郎の猫かぶり】

https://youtu.be/TCxWPRUJkQs

 

 以前、三橋TVで解説した記憶がありますが、現在の経済政策(等)をめぐる思想の争いは、「小さな政府 対 大きな政府」ではありません。「小さな政府 対 機動的な政府」です。

 アバ・ラーナーに倣って「機能的政府」でもいいですが、要するに小さな政府主義者は、机上の論理に基づき「常に小さな政府が善」とする教条主義者です。対する機能的政府は、
「経済は不確実で、環境も時期も変化するんだから、○○主義とか言っているのが、そもそもおかしくね?」
 という考え方で、環境に応じてソリューションを変えます。

 わたくしは、今は財政拡大、反緊縮財政を主張していますが、高インフレの時期には全く異なることを主張しますよ。当たり前でしょ。
 
 ついでに、当たり前ですが日本と他の国は歴史や文化はもちろん、環境すら共有していません。外国で巧くいったことが、日本でも巧くいくとは限りません(巧くいくこともあるでしょうが)。
 
 つまりは、経済政策の担当者は、「国民の経世済民」のために、実践主義的、プラグマティックに考え、発言し、行動しなければならないということです。

 中野剛志先生の「日本経済学新論 ──渋沢栄一から下村治まで」は、まさに過去の日本人のプラグマティストたちの物語なのですが、それにしても改めて、新書で400ページ越えって凄いですが、プラグマティスとの逆、合理主義者の経済学者たちは、環境を無視して緊縮財政を主張します。理由は、
「そちらの方が美しいモデルだから」
 というわけでございます。
 
 まあ、実際には「自分の利益拡大のみを追求するビジネス」にとって、小さな政府、緊縮財政、デフレ経済の方が都合が良いためなのでしょうが、少なくとも表向きは「そちらの方が合理主義」です。

 不完全で価値観バラバラで勝手なことを考えて好き放題動く「人間」の営みである経済が、合理的であると考える時点で,
「ああ、世の中知らないなあ・・・」
 と、経済学者に嘆息してしまうのですが、その向こう側には世の中を知り尽くした「自己利益拡大のみを求める者」がいるわけでございます。

 さて、最大の問題は、合理主義の「小さな政府主義」に、現実の政治家が影響されてしまうという点です。我が国では、与野党がデフレという需要不足の時期に、需要を削減する緊縮財政の激しさで争うという「地獄」が続いてきましたが、似たような話は過去、まだ日本にプラグマティスとの政治家がいた時代にもあったことが、日本経済学新論 ──渋沢栄一から下村治まで」を読めば、いやというほど理解できます
 
2次補正予算案 野党 “予備費10兆円は減額を”
 今年度の第2次補正予算案について、野党側は、あらかじめ使いみちを決めていない予備費が歳出全体の3分の1近くを占めるのは容認できないとして、組み替え動議の提出も視野に、予備費の減額を求めていくことになりました。
 立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党の国会対策委員長は、来週、国会に提出される予定の今年度の第2次補正予算案などへの対応を協議しました。
 その結果、補正予算案では、あらかじめ使いみちを決めていない予備費が10兆円と歳出全体の3分の1近くを占めており容認できないとして、組み替え動議の提出も視野に、予備費の減額を求めていく方針で一致しました。(後略)』
 
 立憲の安住国対委員長は、
 
立憲民主党(りっけん)国会情報+災害対策@cdp_kokkai
安住国対委員長
 補正予算の予備費10兆円の減額、大幅修正を求める。
 コロナで困っている人にお金を届けることは政府に協力する。
しかし、国民からお預かりをし、将来の子供たちから借りる国債で作るお金を、無駄な公共事業など、政府が何でも使っても良いという白紙委任は議会としてできない。』
 
 と、コメントしたそうで、思わず怒りに震えましたよ。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
皇統論「第十六回 仏教伝来」、歴史時事「第十六回 疫病の人類史」がリリースになりました。

 

「国民からお預かりをし、将来の子供たちから借りる国債で作るお金を、無駄な公共事業」

 一つも正しいところがない。
 
 国債発行は、単なる政府の貨幣発行で、国民が預けているわけではない。
 将来世代が国債を返済するということもない(というか、あんたは過去の日本の国債を返済したんか? 1970年と比較して、日本の政府の長期債務残高は、150倍以上に増えているわけだが)

 無駄な公共事業・・・・。レベルが低い、使い古されたレッテル貼り。無駄な公共事業って、なんだ? 定義してみろ。
 そもそも、フロー(所得)の面で言えば、「無駄」な事業などありません。確実に、誰かの所得になります。
 ストック(資産)面でも、今はB/C(費用便益比)という厳しい審査があり、しかもB(便益)に経済成長や防災が入っていないので、必要な公共事業すらできない状況です。

 それにも関わらず、「無駄な公共事業など」という表現を使う時点で、安住国対委員長は「古くさい、現在の日本に不要な政治家」であることを宣言したのも同じですよ。抽象論を駆使した緊縮論を口にし、国民の所得拡大に貢献しようとしない政治家を「古臭い、現在の日本に不要な政治家」として定義します。まさに、平成時代の遺物です。というか、汚物かな。
 この種の「古臭い、現在の日本に不要な政治家」を批判し、糾弾し、つるし上げ、落選させていかなければなりません。

 ちなみに、国民主党の玉木代表は、上記の記事について、
 
玉木雄一郎(国民民主党代表)@tamakiyuichiro
 マクロ経済的に言っても、単に予備費を「減額する」だけでダメだ。GDPの増加に直接つながる支出項目に組み替えていくことが必要だ。そして、その筆頭は追加の現金給付だ。最低でも10兆円規模の組み替え案を出していきたい』
 
 と、コメントしていますが、予備費を予備費のまま予算通すか、あらかじめ「GDPになるように」使い道を決めるかは、それこそ「議論」すればいいのですが、国民民主を含む四党で「予備費の減額を求めていく方針で一致」しているわけで、よく分かりません

 いずれにせよ、野党が緊縮路線を貫く場合、自民党は喜んで、
「野党からの批判が激しいので、予算削るわ」
 とやってくるでしょう。

 結局のところ、国民が緊縮派を「古臭い、現在の日本に不要な政治家は退場しろ」と批判し、拒否しない限り、我が国の緊縮財政は続くのです。与野党問わず、「古臭い、現在の日本に不要な政治家」である緊縮政治家を糾弾する声を上げて下さい。

 

「古臭い、日本に不要な政治家を退場させよう」に、ご賛同下さる方は、

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