No. 2122 デスペラード…偽旗作戦を始めたNATO

Desperados … Nato cranks up false-flag mode

by Finian Cunningham

ロシアに対するウクライナでのNATOの代理戦争において、偽旗作戦による挑発が始まった。

ロシアは今年で3年目になるこの戦争に勝っており、ウクライナのネオナチ政権とNATOの武器ロンダリング詐欺は崩壊しつつある。ではどうすればいいのか?

モスクワ近郊で144人の市民が死亡したテロ事件からわずか2週間、 西側メディアはイスラムジハードの犯行だと大々的に報じ、西側諸国政府はウクライナ政権とは無関係だと断言した。今、この他にも偽旗作戦が相次いでいる。

ロシアはウクライナ兵に化学兵器を投下したとして非難されており、同時にヨーロッパ最大の民間原子力発電所を爆破しようとしていると非難されている。

週末、西側メディアの報道は、ロシア軍がウクライナ軍にガス手榴弾を投下したといういい加減な主張を売り込むことで、偽情報キャンペーンの特徴的な兆候を示した。

ドネツク州のライマンとチャシフ・ヤール近郊のウクライナ軍陣地を標的に、化学兵器が連日使用されているというのだ。この情報源はウクライナ軍に所属する「米国人衛生兵」とされている。この詳細だけでも、仕組まれた偽情報の疑いがある。

プロパガンダの第二の領域は、ザポロジヘ原子力発電所(ZNPP)がドローンからの絶え間ない砲撃を受けているという報告が突然現れたことだ。こうした攻撃は昨年から小康状態にあった。そして今、まるで時計の針が動き出したかのように、攻撃が再開された。

西側メディアは、放射性降下物によってヨーロッパが核の大惨事に巻き込まれる危険があるZNPPへの砲撃が、ウクライナによるものなのかロシア側なのか、はっきりしないという以前のパターンを繰り返している。

国連の核監視機関である国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ所長は、またもや西側メディアに好きなだけ偽情報を出させている。グロッシは、ZNPPがここ数日の間に少なくとも3回攻撃されたことを確認し、「重大な原発事故の危険性がある」と警告した。しかしグロッシは、誰が攻撃を行なっているのかについて知らないふりをしている。彼は特にウクライナ側を実行犯とは呼んでいない。

西側メディアは、ウクライナやロシアの主張を確認できなかったというあいまいな表現をすることでZNPPをロシアが攻撃したかのような印象を与えている。

それはばかげている。ロシア軍は2022年3月、NATOの支援を受けた政権の侵略を阻止するためにウクライナに入った直後に、原発の制御を奪取している。ロシアは国連に、ウクライナ側が米国から供与された大砲とNATOの兵站で繰り返しZNPPを狙っているという証拠を文書で提出している。

しかし西側メディアと国連のIAEAは、ロシア軍がロシアが所有し管理している原子力発電所を砲撃しているかもしれないという、ばかげた見せかけに耽っている。

ロシアが化学兵器に頼っているという西側メディアの主張も、ばかげた非論理的なものだ。ロシアはすでに戦略的に優位に立っているのに、なぜそのような兵器を使う必要があるのだろうか?その上、ロシアは1997年の化学兵器禁止条約で義務付けられた通り、数年前にすべての化学兵器を検証可能な形で廃棄している。

同じ非論理的なシナリオは、シリア・アラブ軍がNATOの支援を受けた傭兵を相手に戦場を完全に掌握していたときにも見られた。

化学兵器による攻撃を企てたのは、西側諸国が支援するアル・ヌスラ戦線などの熾烈なジハード主義者たちだったが、西側メディアは反射的にかつ誤ってシリア国軍を非難した。この挑発はシリアで成功し、米英仏はシリア軍に対する空爆を開始したのである。

たとえ化学兵器を持っていたとしても、ロシアはネオナチ・ウクライナ政権のNATOの代理軍を壊滅させるときに化学兵器を使う必要はない。

同様に、ロシアは紛争の初期段階でZNPPを管理下においた。NATO体制がそれをテロの切り札として利用するだろうということを知っていたからだ。ロシアの判断は正しかった。NATO軍は再び、NATOによるエスカレーションを正当化すると思われる危機を作り出すためにZNPPを爆撃しようとしている。

3月22日にモスクワ近郊のクロッカス市庁舎で起きた残虐な大量殺人のように、NATOの代理戦争は全面的なハイブリッド・テロへと移行しつつある。NATO枢軸は、ロシアの優れた火力と軍事戦術によって戦場での通常戦で敗北した。

NATO加盟国は歴史的な敗北から絶望的になっている。彼らは前代未聞の政治的、財政的資本を投資して、ロシアを打倒するための代理戦争に勝利しようとしていたが、今や壊滅的な損失を被る可能性がある。

フランスの指導者エマニュエル・マクロンがウクライナにNATO軍を派遣すると口走ったり、他のNATOの指導者たちがさらなる武器供給と徴兵の強制を求める必死の嘆願を出したりするのは、こうした焦燥的な背景があるからだ。彼らの狂った代理戦争は、嘘のプロパガンダ・ニュースメディアを含む西側の政治体制にとっての大惨事を予感させる巨大な失敗である

このタイタニック級の沈没船の絶望的な状況の中でNATO加盟国は狂乱な混乱を作り出すために完全に偽旗作戦モードに入っている。

彼らにとっての問題は、これまで何度も同じ状況に直面してきたため世界中の人々が彼らの卑劣な手口を見抜いているということだ。

https://strategic-culture.su/news/2024/04/09/desperados-Nato-cranks-up-false-flag-mode/