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『現金給付10万円から解る貨幣の真実』(後編-1)』三橋貴明 AJER2020.6.2

    

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自民党の消滅 日本で語られたことがない権利・権力・国家・政治の話[三橋TV254回]
 
 わたくしは経済にしても財政にしても貨幣にしても、「最小要素」にまで細分化し、自分が完璧に説明できるようにした上で、理解して頂く手法を取っています。というわけで、十年以上も多用しているツールが「バランスシート(貸借対照表)」です。

 貸借対照表を使えば、
「誰かの資産は、誰かの負債」
「負債が返済されると、資産が消滅する」
 といった事実が一目瞭然になります。

 同じように、「自民党の消滅」では、国家を「最小要素」にまで細分化する手法を取りました。すなわち「権利」です。

 そして、権利を認める共同体(国家)をコントロールすることが「政治」であり、政治を決定する権利が「主権」です。
 
 ただし、何度も書いていますが、我々は日本国において、一億分の一未満の主権しか持っていません

 組合の話を覚えていますか。一個人では購買力、販売力、交渉力が小さすぎる消費者、労働者、農家などのパワーを束ね、大資本と対抗するために生まれたのが「組合」です。
 
 政治においても、何らかの組織が一個人としては「一億分の一未満」の主権を束ね、国家に政治的働きかけをしない限り、実際には主権は無力です

 というわけで、我々の主権を束ねる中間組織として、連合、企業、業界団体、農協、医師会、諸政治団体などが重要になるのです。ところが、我が国では「経団連=グローバリズム」以外の中間組織が「既得権益!」として攻撃され
「特定の利益団体が票を武器に圧力をかける政治」
 が、悪しきものとして語られるようになってしまいます。
 
 いや、それって、民主制の否定だから。票を武器に圧力をかけないで、一体いかなる武器を使えというの? テロ? 暴動? 暗殺? 革命?

 といった話は誰も語らず、我が国では、
「しがらみのない政治、サイコーッ!」
 といった幼稚な考え方が蔓延り、国家と有権者が「ダイレクト」に繋がり、ダイレクトなチャネルであるマスコミ情報のみで「いかなる政治」も可能な状況に至ります。ポピュリズムというか、ナチスでございます。
 
 愚かな我々(日本国民)が、中間組織なしで「よりマシな政治」を選択することができる可能性は、限りなくゼロに近いと思いますよ。
 
 ところで、間接民主制の国では、我々の主権は「国会議員」が束ねます。日本の国会議員は衆参両院合わせて約700人。各国会議員は、国会において、もちろんバラつきも激しいですが、究極的には「七百分の一」のパワーしか持っていないことになります

 というわけで、国会においてすら、政治的影響力を発揮するには、議員のパワーを「束ねる」存在が必要なのです。自民党の消滅でも解説していますが、まさに議員のパワーを束ねる存在こそが「政党」になります。
 
『自民、消費税減税主張の若手に警戒感 「責任政党の姿でない」

 新型コロナウイルスの感染拡大で低迷する消費の喚起策として、自民党の若手議員を中心に消費税率の引き下げを求める声が相次いでいる。社会保障費の財源と位置付ける維持派は眉をひそめるが、減税派は「世論はわれわれの味方だ」とどこ吹く風だ。早期の衆院解散・総選挙もささやかれる中、責任政党として足並みをそろえられるかが注目される。

「消費税ゼロは国民に現金給付をするのと同じ効果があり経済効果は抜群だ。消費税は貧困に苦しむ人たちにも負担を強いる」
 当選3回の安藤裕衆院議員は21日、新型コロナ対策としての消費税減税の効果を疑問視した党税制調査会幹部に関する記事をツイッターで取り上げた上で、こう反論した。
 安藤氏が主宰する若手有志の議員連盟「日本の未来を考える勉強会」は3月、新型コロナに対処する政府の緊急経済対策の編成に向けて消費税の当面凍結を党幹部らに提言した。保守系議員グループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表・青山繁晴参院議員)も消費税率5%引き下げを訴えており、党内の「減税勢力」は100人以上に上るとされる。
 消費税減税が緊急経済対策に盛り込まれることはなかったが、安藤氏らは近く税調幹部に減税を直談判する構えだ。党内には消費税減税を次の衆院選の争点にすべきだとの主張もある。
 一方、党税調の審議を経ていない独自の動きに懸念を示す声も少なくない。石原伸晃元幹事長は4日、消費税ゼロを求める党内の声に触れ、「根拠を示さず、ものだけ言うようなことは、これまでのわが党にはない。政策作成過程をしっかりしないとまずい」と安倍晋三首相に提言したと記者団に説明。ある閣僚経験者も「子や孫の世代に負担を押し付けることになる。責任政党の姿ではない」と減税勢力を牽制した。
 4日の岸田派(宏池会)の会合でも消費税をめぐる足並みの乱れを心配する声が上がり、同派幹部は「(減税勢力に対して)『自分だけ(有権者に)いい顔をするな』ということだろう。(選挙が近いとされる時期には)いるんだよ、そういうやつらが」と突き放した。』
 
 
 いや、責任政党というならば、国民をここまで貧困化させたことについて、一度くらい、反省したらどうなんんだ。
 
【日本の実質賃金の推移(2015年=100)】
 

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
評論家・中野剛志世先生の「通貨論争史 イギリス編」がご視聴頂けます。

 

 さらには
 
【主要国の2018年の自国通貨建てGDP・政府支出(対2001年比)】
 
 ↑この現実を受け止めて、消費税廃止を含む財政拡大政策へのピボット(転換)を議論するべきでしょう。
 
 数字もまともに見ない、事実から目をそらして「緩やかな回復」と繰り返し、国民の貧困・困窮の声に対して耳を塞ぎ、党内から上がったまともな声に対しては、「責任政党の姿ではない」と抽象論で切り捨てる。
 まさに、それこそが「責任政党の姿ではない」よ、ある閣僚経験者君。

 政党とは、国家と国会議員を繋ぐ中間組織です。その中間組織までもが、現実から目をそらし、議論を拒否する形で堕落、劣化してしまっている。
 
 これが、現代の日本です。

「ならば、どうすればいいんだ!」
 と、思われたでしょうが、そんなリーサル・ウェポンみたいな対処法があるならば、とっくにやっていますよ。

 例えば、自民党の減税勢力(極少数派)に対して「離党して新党を作れ!」と言いたい人は多いでしょうが、実際に離党・新党結成したところで、自民党内ですら少数派なのです。与党の緊縮派(※多数派)としては「あ、そ」とコメントするだけで、流れは変わらないでしょう。

 結局は、中間組織においてすら「多数派」にならなければ、政治的影響力は発揮できないのですよ。
 
「でも、主権がないよりはマシでしょ」
 程度のものに過ぎないのです、民主制とは。

 そして、かつての「多数派の人民(国民ではない)に主権がない国家」より、国民が主権を持つ民主制の国が「マシ」であることは確かなのです。

 というわけで、この現状を踏まえた上で、我々は「多数派」を形成する必要があります。国民が変わらない限り、政治も変わらないのです。

 地元の政治家(与野党問わず)に悲鳴を伝えて下さい。できれば、徒党を組んで。一億分の一未満の主権のパワーを、我々自身で束ねていくのです。

 とりあえず、地元が自民党の場合は、
「消費税廃止議論を拒否し、国民の貧困化を放置する今のお前ら自民党こそが、無責任政党だ!」
 と、集団で批判して下さい。結構、効きますよ。
 
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