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7月12日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月12日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「安倍暗殺と自民圧勝 現状追認の選挙結果で歴史が暗転する予感」

追悼、安倍礼賛でかき消されたアベノミクスの大罪

 もし、大手メディアが、失敗に終わったアベノミクスを客観的に報じていたら、参院選の結果も少しは違ったのではないか。実際、庶民にアベノミクスの恩恵はなかった。プライドの高かった安倍本人も「アベノミクスは道半ば」と認めざるを得なかったほどだ。

 なのに、大新聞テレビの報道は“安倍礼賛”一色となり、アベノミクスの失敗と弊害については、ほとんど伝えなかった。安倍政権とは切っても切れない森友、加計、桜といった一連の疑惑も、アリバイ程度に触れただけだ。

 「死者に鞭を打たず美化するのは、日本人の美徳かも知れない。でも、政治家、特に総理まで務めたような人物は業績に基づいて評価すべきです。アベノミクスは成功だったのか、コロナ対策は適切だったのか。安倍政権の大きな問題は、行政を私物化し、社会を分断させたことでしょう。なのに、そうした報道は、ほとんど見当たりませんでした」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 しかも、大手メディアは肝心なことを伝えようともしなかった。容疑者が犯行に及んだ動機は、安倍と宗教団体との深い関わりだったのに、そこに触れた報道は皆無だった。

 「容疑者は安倍さんの思想信条に反感を抱いたわけではなく、個人的な恨みから犯行に及んでいます。安倍さんと宗教団体との関係を問題にしていた。この事件は、そこを解明しないと全容が見えてこない。どうして大手メディアは報道しないのか疑問です」(五十嵐仁氏=前出)

 このままではアベノミクスの大罪も、なかったことにされかねない。


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