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「財政破綻論の断末魔」(前半)三橋貴明 AJER2020.11.9
    

 

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農業消滅!? アメリカの国家戦略に食い荒らされる「日本の食」 [三橋TV第470回]鈴木宣弘・三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/vFf1sdl4F7w

【Front Japan 桜】『ムダなバラマキ』批判という無駄 / 明治時代の産業政策の偉業に学ぶ[桜R3/11/17]
https://youtu.be/xOImnAfHKVU
 

【ch桜・別館】デジタル社会の落とし穴、堤未果さんの『デジタル・ファシズム』に注目を![桜R3/11/17]
https://youtu.be/suMLTn77AKo
 

 デービッド・アトキンソン氏が、またまた長~い寄稿で、「日本国民を救うための政府支出」に異論を唱えています。


 毎度、毎度、思うのですが、アトキンソン氏の特徴は、長い寄稿で多くの真実を示しつつ、その中に「嘘」を混ぜるというものです。
 ちなみに、大量の真実の中にわずかな嘘を紛れ込ませるというのは、詐欺師の特徴です。だからといって、アトキンソン氏が詐欺師だと言っているわけではありませんけどね。
 

 単に、手法が似ている、という話です。

今の日本に「バラマキ政策」適さないシンプルな訳 財政出動は「乗数効果」「雇用の質」基準に増やせ
今回の記事のまとめは、以下のとおりです。
(1) バラマキ的な量的景気刺激策は特にデフレ不況時に効果的である
(2) しかし、第二次安倍政権以降は、デフレでもないし不況でもない
(3) 世界的にも、デフレ不況は滅多に起きない(後略)』

 バラマキ、の定義は書いていないのですが、文脈からして所得移転系、つまりは「給付系支出」のことなのでしょう。


 アトキンソン氏は、相変わらず社会保障や給付系支出について「生産性向上に結び付かない」と反対していますが、国民の手元の貨幣が直接的に増えれば、確実に消費が拡大します。消費拡大を受け、企業が投資をすれば、生産性は伸びます。


 そもそも、国民の実質賃金が下落している国で、
「国民の手元の貨幣を増やしても、生産性向上の投資は起きない」
 と、断定する理由がよく分かりません。

 

 また、万が一、生産性向上が起きなかったとしても、「政府が貨幣を発行し、国民の可処分所得を増やす」政策の何が問題なのでしょうか? 結局は、財政破綻論に囚われているため、「ムダなカネを使うな」という発想なのでしょうか。よくわかりませんが。

【日本の実質賃金指数の推移(2015年=100)】


http://mtdata.jp/data_73.html#RI20
 

【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(前篇)】

現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (前編)」がご視聴頂けます。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

 さらに、アトキンソン氏は就業者数が増えていることを理由に、「日本はデフレ、不況ではない」という主張を展開しています。
 ちょっと、待って。

【日本の年齢・男女別就業者数(万人)】


http://mtdata.jp/data_77.html#syuugyousya

 第二次安倍政権が発足した2012年12月と比較し、生産年齢人口(15歳-64歳)の男性の就業者数は、83万人減少。
 逆に、生産年齢人口女性が182万人増。そして,65歳以上男女が何と288万人増加。
 

 つまりは、デフレという需要不足の状況で、生産年齢人口比率の低下により企業は生産性向上の投資に乗り出せない。不況と人手不足が(過渡期故に)同時に発生し、企業は、
「女性や高齢者を安く雇う」
 ことで急場をしのぐしかなかった。あるいは、女性や高齢者の労働市場への参入で、企業は、
生産性向上の投資をしなくても、安い労働力の流入により生産活動を継続できる
 状況になったのです。
 

 一億総活躍社会(=高齢者を安く使う)。女性活躍社会(=女性を安く使う)。それでも、生産年齢人口比率低下のパワーはすさまじく、「移民受入」につながった。
 

 こういう社会を、我々は望んでいたのでしょうか?
 

 年金を削られ、支給年齢が先延ばしにされ、高齢者が「安く働かざるを得ない」社会を? あるいは、本人が専業主婦を望んでいても、夫の給与が低すぎ、女性が「安く働かざるを得ない」社会を?


 また、アトキンソン氏は「日本の個人消費は増えている」という、奇妙な主張をしています。

【日本の実質消費指数(2015年=100)】


http://mtdata.jp/data_77.html#RI

 これ、説明して下さる。


 アトキンソン氏の「正しい主張に混ぜた嘘」に騙され、日本のデフレが続くと、我が国はますます生産性や実質賃金が下がり、最終的には「子供も働かざるを得ない国」に落ちぶれることになります。まさに、発展途上国化なのですよ。 
 

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