No. 2119 メカニズム:でっち上げられたルールに基づく「秩序」がいかにして野蛮に堕ちていくか。

The Mechanism:How the “order” based on made-up rules is descending into savagery.

ヨーロッパ人は、時流に乗った米国のマネーロンダリング・マシーンを決して再現できないだろう。

by Pepe Escobar

何者か見えざる力のおぞましい影が

我々の間を漂い、

このさまざまな世界を訪れる。

それは夏の風のように変わりやすい羽根で、

花から花へ忍び寄る。

松の山の後ろに月の光が降り注ぐように、

それは変わりやすい視線で

各人の心と顔を訪れる。

夕暮れの色合いや調和のように、

星明かりの中に広がる雲のように、

逃げ去った音楽の記憶のように、

その優美さゆえに愛されるもののように、

そしてその神秘さゆえになおさら愛されるもののように。

―「美の賛歌」シェリー

実質上のNorth Atlantic Terror Organization(北大西洋テロ組織)であるNATOが創設75年{1}を迎え、イスメイ男爵(初代NATO事務総長)のモットーを(「米国人を中に、ロシア人を外に、ドイツ人を下に」)かつてない高みへと昇華させるなか、ノルウェーのストルテンベルグ事務総長が、今後5年間ウクライナを兵器化するために1000億ユーロの基金を創設するという陽気な「イニシアチブ」を思いついた。

これが意味するのは、NATOとロシアの衝突における重要な資金面に関して米国は一部撤退し(すでに中国との「次の永遠の戦争」に夢中である)、それに代わって、多額の負債を抱え不況に陥っているボロボロで非工業化されたヨーロッパの小国の一団が参入するということだ。

ブリュッセルのハレンにあるNATO本部では、平均室温を数度上回るIQを持つ数人は、加盟国間での資金調達力がゼロなのにどうやってこの大金を捻出するのだろうかを厚かましくも考えている。

結局のところ、ヨーロッパ諸国は絶対に米国のマネーロンダリング・マシーンをコピーすることはできないだろう。例えば、ホワイトハウスが提案したウクライナへの600億ドル規模の援助が米国議会で承認されると仮定しても(承認されないだろうが)、その64%以上はキエフに届かない。産業・軍事複合体の中でロンダリングされるからだ。

しかし、さらに暗い展開が待っている。ストルテンベルグはロボットのような目つきで腕を振り回しながら、自分の提案した動きがウクライナにNATO軍が直接駐留することを意味しないと信じている。フランスのマクロンによる戦争を扇動するような怒りとは無関係に、かなり前からすでに現場では事実となっていることだ(ペスコフ:「ロシアとNATOの関係は直接的な対立に陥った」)。

NATO諸国の前線での危険なアニメ的スペクタクルに西アジアでの米国の空母のパフォーマンスが組み合わさり、さらにガザでの工業的規模の虐殺/餓死ジェノサイド・プロジェクトは一貫して筆舌に尽くしがたいものとなり、この綿密に記録されたホロコーストをグローバルノースの「指導者たち」は歪んだ沈黙のうちに見守っている。

国連特別報告者であるフランチェスカ・アルバネーゼはこう言った。「この聖書的サイコパス集団はワールド・セントラル・キッチン(WCK)のスタッフを意図的に殺害した。イスラエルは、西側諸国やほとんどのアラブ諸国がパレスチナ人のために指一本動かさないことを知っている」。

ガザで飢饉を緩和するために働く人々の乗った人道的な車両に、意図的に3回も空爆をした「論理」の背後にあるのは、もっと恐ろしいエピソードをニュースから消し去ることだった。それは、ガザの医療サービスの少なくとも30%を担っていたアル・シファ病院に対する、ジェノサイドの中のジェノサイドである。アル・シファ病院は爆撃され、焼却され、医師や患者、何十人もの子どもたちを含む400人以上の市民が無残に殺されたのだ。

ほぼ同時に、聖書的サイコパス集団はウィーン条約を完全に破棄し、ダマスカスにあるイランの領事公館/大使公邸を攻撃した。これは歴史的なナチスでさえ決してしなかったことである。

これは、戦争をしていない第三国の領土で、免責特権を享受している外交使節団に対するミサイル攻撃である。さらに、シリアとレバノンにおけるIRGCのクッズ部隊司令官であるモハマド・レザ・ザヘディ将軍とその副官モハマド・ハディ・ハジザデ、さらに5人の将校、合計10人が殺害された。

つまりこれはシリアとイランという2つの主権国家に対するテロ行為なのだ。最近のモスクワのクロッカス市庁舎に対するテロ攻撃と同じである。

グローバル・マジョリティーの国の隅々まで、避けられない疑問が鳴り響いている。事実上のテロリストである彼らが、なぜ何度も何度もこんなことを繰り返して免れることができるのだろうか?

リベラル全体主義の棘

4年前、後に私が「怒濤の20年代」{2}(2021年)と呼ぶものが始まった頃、私たちは新しいパラダイムを定義する一連の概念が絡み合い、統合されるのを見始めていた。サーキット・ブレーカー、負のフィードバック・ループ、例外状態、ネクロポリティクス、ハイブリッド・ネオファシズムといった概念に慣れ親しむようになったのである。

この10年が進むにつれ、私たちの苦境は少なくとも二つの希望の光によって緩和されたかもしれない。それはロシアと中国の戦略的パートナーシップが牽引してイランが重要な役割を果たしている多極化の推進と、「ルールに基づく国際秩序」の完全な崩壊である。

しかし、どんなに遠回しに言っても、この先は長く曲がりくねった道が続くだろう。

そこで、究極の故・偉大な美学者であるボウイの言葉を引用すれば、「我々は今どこにいるのか?{3}」となる。 カーディフ大学のいつも熱心なファビオ・ヴィーギによるこの非常に鋭い分析{4}を見てみよう。

周囲の世界に批判的思考を持つ人なら誰でも、システムの崩壊を感じることができる。これは閉じたシステムであり、リベラル全体主義として簡単に定義できる。これで利益を得るのは誰か?0.0001%の人だ。

これはイデオロギーとは関係ない。金の行方を追え。負のフィードバックループの定義は、実は負債のループだ。西アジアの聖書の大量虐殺と同じようなサイコパスによる、犯罪的な反社会

このメカニズムは三位一体で行われている。

  1. 多国籍金融エリート、0001%のスーパースターたち。
  2. そのすぐ下にいるのが米国議会からブリュッセルの欧州委員会(EC)までの政治・組織層と、北と南を股にかけるエリート「指導者」たち。
  3. かつての “知識人 “。いまやメディアから学界に至るまで基本的に「雇われのハッカーたち」である。

この現実の過剰なメディア化こそが、そのメカニズムなのだ。

このメカニズムを使って、あらかじめ準備された「パンデミック」を(「人道的ロックダウン」として筋金入りの社会工学をおこない)もう一度永遠の戦争にまとめ上げたのである(ガザでのジェノサイド計画からウクライナでの代理戦争計画に組み込まれたロシア恐怖症/キャンセル文化への執着に至るまで。)

それこそが全体主義的規範の本質である。西側諸国の凡庸な自称グレート・リセット「エリート」たちによる、人類のためのプロジェクトなのだ。

AIでソフトに殺す

このメカニズム全体の重要なベクトルは、技術的・軍事的陶酔と、AIにとりこになっている過剰なインフレを招く金融部門との間の直接的で危険な相互接続である。

例えば、「ラベンダー」{5}のようなAIモデルはガザの殺戮現場でテストされている。文字通り、人工知能が人間抹殺をプログラミングしているのだ。そしてそれはリアルタイムで起こっている。プロジェクトAIジェノサイドなのだ。

もう一つのベクトルは、すでに実験された、欧州委員会(EU)のメデューサ、ウルスラ・フォン・デア・ルーゲンが間接的に主張しているように、コロナワクチンでやったように兵器を製造する必要性だ。

それこそが欧州の納税者によるEUの資金を、「兵器の共同契約」への「融資を増やす」ために使おうという計画の核心である。これは、フォン・デア・ルーゲンがコロナワクチンの普及を推し進めた結果生まれたもので、ファイザーと結びついた巨大な詐欺であり、彼女はEUの検察庁によって調査され、間違いなく暴露されるだろう。彼女自身の言葉を借りれば{7}、提案された武器詐欺は「私たちはこれをワクチンとガスのためにやった」となる。

「社会工学の兵器化」と呼ぼう。

この広大な腐敗の沼地でのすべての動きの中で、米国の意図は極めて露骨なままである。それは、衰退しつつあるタラソクラテス的な軍事覇権を何があっても維持し、金融覇権の基礎とすること、そして米ドルと、測定不能で返済不可能な米ドル建て債務を守るためである。

そして、西側メディアの集団的ハッカーたちが売り込んでいる、ターボ資本主義のみすぼらしい経済モデルに行き着く。「独裁者」プーチンと「ロシアの侵略」に対処するために、借金のループ、仮想通貨がノンストップで借り続けられている。これは、マイケル・ハドソンが金融・保険・不動産(FIRE)症候群を痛烈に分析した重要な副産物である。

ウロボロスの介入:蛇は自分の尻尾を噛む。今、「メカニズム」の本質的な愚かさは、必然的にカジノ資本主義を蛮行に走らせている。クロッカス市役所のような、そしてガザ虐殺プロジェクトのような。

こうして「メカニズム」は、ワシントンからブリュッセル、グローバルノースの拠点からジェノサイド的なテルアビブまで、大金融/FIREの言いなりになってサイコパス殺人者としての地位を剥奪する組織を生み出すのだ(ああ、「空き地」となったガザでは、海沿いの素晴らしい不動産が手に入るのだ)。

どうすればこのような愚行から逃れられるのだろうか?シェリーのビジョンにあるように、我々はこの「この暗い広大な涙の谷」で美の超越的な精神を呼び起こし、調和、平静、そして正義を実現する意志と規律を持つことができるのだろうか?

Links:

{1} https://www.youtube.com/watch?v=-bgGeV1L2Ww

{2} https://www.amazon.com/Raging-Twenties-Great-Politics-Techno-Feudalism/dp/1608882330/ref=sr_1_1?crid=1X9S07XEASTKD&dib=eyJ2IjoiMSJ9.fIdm2jybM4_mQUYq7YqZUCy57Cx6qeHtPt8krsD2buDghfG3IeICK9PVc2Oem6-ro0G1Sv4ghPQ_-CTeoLg9PNkoqUamJ7_QMACUuxPJF7_8Fo7ESnEgBW5rO5yfPmjd9YumSItVXI0Ywekr3lkuqQxd6W8PY96ELVphSvz4AQI7EVrV6Vba3kmnlaSQk55YdI0mqJbXl6qFXV3cK7cxCcsfccEWspa-UvlAXU8tJlE.DGdzo05OSGx7r3nc_yWnGKhrdF7jskyD6KNQ0vTvldY&dib_tag=se&keywords=Raging+Twenties&qid=1712235323&sprefix=raging+twenties%2Caps%2C137&sr=8-1

{3} https://www.youtube.com/watch?v=QWtsV50_-p4

{4} https://thephilosophicalsalon.com/trust-in-institutions-and-the-war-dividend/

{5} https://twitter.com/yuval_abraham/status/1775527571297292632

{6} https://europeanconservative.com/articles/news/pfizergate-investigation-taken-over-by-eu-prosecutors-office/

{7} https://www.ft.com/content/66606e2c-0b5a-493e-af59-d24436d0fd72

https://strategic-culture.su/news/2024/04/05/mechanism-how-order-based-on-made-up-rules-descending-into-savagery/