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「アメリカの大転換と高圧経済」(前半)三橋貴明 AJER2020.7.5
    

 

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2021年7月17日 三橋経済塾第十期第七回講義 会場:那覇市

 

2021年8月1日 講演会(山形)のご案内

 

超愛漫画家「成田アキラ」登場! 残りの人生を日本国民を救うために費やすぜ! [三橋TV第413回] 三橋貴明・成田アキラ・高家望愛


https://youtu.be/gkwlJx_vUEc

時局 8月号に連載「三橋貴明の経世論 第52回 経済産業省の新機軸」が掲載されました。

 東京に緊急事態宣言が再発令されそうです。もはや、みんな真面目に「自粛」などしないでしょう。
 何しろ、片山さつきが朝生で明言したように、
「憲法上、ロックダウンできない。ロックダウンではないので、補償はしない」
 が、今の日本政府なのです。


 補償されない以上、我々が従う必要はありません。我々は、生き延びるために、働いて所得を稼がなければならないのです。

 さて、FTを買収したためなのかは分かりませんが、最近の日経には頻繁に「真っ当な記事」が掲載され、混乱しています。

 経産省の「新機軸」で明らかにされた、「国家の復権」的な産業政策についてです。

技術革新めぐる「国家の復権」 上級論説委員 西條都夫
 過去40年続いた民間主導の経済パラダイムが転機を迎えたのだろうか。米バイデン政権は温暖化対策や半導体のサプライチェーン強化に向けて巨額の公的資金を投入する。欧州や中国でも国家がイノベーション創出に関与するのは日常茶飯だ。日本も経済産業省の一部に政府の主導する「産業政策」の栄光復活を模索する動きがある。(後略)』

 イノベーションと言えば、アップル社のスティーブ・ジョブズが礼賛されています。ジョブズは確かに偉大な経営者でしたが、アップル社のコア・コンピタンスは、
・政府が開発した技術の応用技術
・消費者視線で、製品のデザイン重視
・ジョブズのマーケティング能力
 であって、iPhoneやiPADに使われている技術の殆どは、アメリカ政府の財政支出により開発されたものです。 


 インターネットはDARPA(国防高等研究計画局)、マイクロプロセッサもDARPA、マルチタッチスクリーンはアメリカ国立科学財団など、クリックホイールは欧州原子核研究機構など、DRAM内蔵はDARPA、リチウムイオン電池はアメリカ合衆国エネルギー省、液晶画面はアメリカ国防総省、アメリカ国立科学財団、シグナル圧縮はアメリカ陸軍研究室。


 アップル社の製品で使われている技術の大本は、そのほとんどが「アメリカ政府」で開発されたものです。


 日経の記事にコロナワクチンの例が載っています。


 ファイザー製薬(及びビオンテック)のワクチンは、19.5億ドル、ドイツ政府3.75億ユーロの支援により、生産されています。さらに、モデルナ・ワクチンへのアメリカ政府の支援は25億ドル、J&Jワクチンは15億ドル。


 「画期的なイノベーション」のためには、リスクや不確実性を乗り越えられる「政府の力」が必要である。という、「現実」が、ようやく認識され始めている。
 

 ちなみに、リスクとは、不確実性の一部になります。。別の書き方をすると、不確実性はリスク以外の要因を含みます。
 ケインズは、不確実性について、
「私が不確実性について言わんとしているのは、ヨーロッパで戦争が起きる可能性はあるのか。銅の値段や二十年後の金利はどうなるのか。新技術がいつまでもつかなどのレベルの話をしているので、これらについては、科学的に確率を計算する方法は全くない。全く知る余地がないのである」
 と、語っています。


 経営上のリスクは、その規模を事前に限定することが可能です。企業経営者が100億円の工場を建設したとして、そのリスクは「100億円規模」で収まります。
 

 無論、直接的な工場建設費用以外にも、諸々の運転資金が必要であるため、プラスアルファの損失が出る可能性はあります。それにしても、100億円の設備投資をした結果、1000億円、2000億円の損害を被ることはあり得ないのです。


 それに対し、不確実性による損害規模は、事前に特定しようがなく、同時に限定もされない。
 

 今回のコロナ禍という非常事態に因る損害規模は、事前に特定しようがなく、さらには未だに損害が拡大しています。
 

 台湾有事が勃発したとして、TSMCの半導体生産が止まると、どうなるのか。といった「不確実な未来」に、一企業のみで対処することは不可能です。
 だからこそ、政府が主導しなければならない。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

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作家・古代史研究家 長浜 浩明【日本人はどこからきたのか?】【邪馬台国はどこにあったのか?】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

『(引用)民間にリスクテークの精神が乏しいなら、「官」が役割を発揮するしかなく、多少の経営介入も許される――。これが今回の東芝問題の底流を貫く経産省のロジックだ。』

 デフレで業績がぱっとせず、さらに不確実性が高まっている以上、民間がリスクを取らないのは当然です。だからこそ、政府、国家が産業を振興しなければならない時代に入ったのです。(というか、初めからそうだったのです


 ワクチンについて、以前も取り上げた塩野義製薬の手代木功社長が、

『(引用)「日本固有の変異株が出た場合、海外勢がそれに対応してくれるかどうか不安が残る。日本政府は国産ワクチンの支援にもっと力を入れてしかるべきだ」』

 と、語っていますが、当然です。非常事態でなければ役に立たないワクチンについて、民間主導で供給能力を維持しろといっても、無理なのです。
 無論、「技術的イノベーションは必ず政府が主導するべき」と言いたいわけではありません。日経の記事の末尾にあるように、

『(引用)官と民のどちらが主役かという議論はやはり不毛だ。両者のリスクテークの精神や先を見通す力のかけ算が、国の盛衰を左右する。日本の官民にその覚悟はあるだろうか。』

 要は、政府と民間のバランスです。話はオールオアナッシングではない。


 これまでの日本は、あまりにも政府が役割を放棄し、民間丸投げをしていた。そうではなく、これまでよりも政府が経済、産業、技術に対する関与を強めなければならないという話です。
 そういう意味で、経済産業省の「新機軸」は正しい。わたくしは「国家の復権」に対し、賛同します。

 

「国家の復権」に、ご賛同下さる方は、

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