No. 1505 マイケル・ハドソン:西洋文明の終わり

マイケル・ハドソン:西洋文明の終わり

by b

マイケル・ハドソンが月曜日に中国のグローバルユニバーシティで行ったスピーチを皆さんにお勧めする。この講演は「西洋」社会を支配する、病いの核心を突いている。

問題は債務で、歴史的には困難な状況に陥ると王や大祭司によって大部分が免除されていた。しかしギリシャ帝国、後のローマ帝国の時代には寡頭政治家が支配し、すべての負債を全額返済することを要求したため困難な時期にも返済するようになったのである。このため社会は富裕な富裕層と負債を抱えた平民層に分裂した。ローマ帝国から大英帝国まで、そのような道をたどった帝国は最終的に過剰債務により崩壊した。

米国はこの道を突き進んでいる現在の世界帝国である。米国は米国のオリガーキーが強奪できるよう金融市場を開放しないすべての社会を敵視している。異なるやり方で発展してきた中国、ロシア、イラン、ベネズエラは米国の要求に屈することを拒否し、これが現在の世界紛争の核心となっている。米国は今まではこのような「問題」を武力で解決してきたが、今ではそれをするには弱くなりすぎたようである。

ハドソンの演説の英語版を初めて公開したのはNaked Capitalismである:

Michael Hudson: The End of Western Civilization – Why It Lacks Resilience, and What Will Take Its Place

核心となるパラグラフは、おそらくこれだ: 

新冷戦を通じて米国はまさにそのような経済的貢ぎ物を他国から確保することを狙っている。これから起こる紛争は、おそらく20年続き、世界がどのような政治・経済体制をとるかを決めることになる。問題は米国の覇権と、国際金融と通貨発行のドル化支配だけではない。政治的な問題は、「民主主義」という考え方である。この考え方は、攻撃的なオリガーキー(金融寡頭政治)が軍事力を背景に、強引な金融・経済・政治支配によって世界にそれを押しつけようとすることの婉曲表現になってしまっていることだ。

 古典的古代(ギリシャ、ローマ時代)以来、寡頭制による政府の支配が西洋文明の特徴であったということを私は強調したい。この支配の鍵となったのは強い政府への反対勢力であった。つまり、債権者寡頭制が台頭して土地と富を独占し世襲貴族、地代、利子、独占特権で生活する賃借人階級となり、国民全般を緊縮させるのを阻止できるほどの強い民間政府である。

 レンティア階級を崩壊させる必要があるだろう。公共財やサービスを所有して民間の利益にそれを渡さない強い国家に再委託することである。これから起きる低迷はその達成を助けるかもしれない。

https://www.moonofalabama.org/2022/07/michael-hudson-the-end-of-western-civilization.html