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『現金給付10万円から解る貨幣の真実』(後編-1)』三橋貴明 AJER2020.6.2

    

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笑えない真実 財政破綻論者の主張が日本を財政破綻させる[三橋TV251回]

https://youtu.be/pHEpyaRWnuk

 

 本日は三橋経済塾第九期第六回講義開催日です。お申込み頂いた皆様、よろしくお願いいたします。
 
 さて、日本では特定の「政治団体」について、既得権益だ何だと批判をする人が多いですが、その方々は「民主制」について理解していません。

 民主制とは、有権者の一票が政治や政策を決定する仕組みです。
 
 とはいえ、日本の有権者数は1億人以上。我々は、日本の主権について、1億分の一のパワーしか持っていないのです。日本国民は、わずか七千万分の一の政治力で、日本国の政治に影響を与えることができるのでしょうか。不可能です。

 話は変わりますが、「共同組合」が生まれた理由をご存じでしょうか。

 人類史上、初めて成功した「協同組合」は、産業革命後のイギリスで誕生した、ロッチデール先駆者共同組合です。
 
 産業革命により工場における大量生産が主流となったイギリスでは、製造業に携わる労働者が劣悪な雇用環境と貧困に喘いでいました。さらに、労働者は日常的に購入する食料や衣類など、生活必需品の品質の悪化や価格高騰に悩まされていたのです。

 労働者側に、販売店の選択肢はほとんどなく、質が悪く割高な商品であったとしても、購入せざるを得ない状況が続きました。とはいえ、労働者、消費者は「個人」として見た場合、パワーが小さすぎ、どうにもなりません。

 個別に見れば「小さな買い手」である労働者たちは、大手の小売業者の巨大なセリングパワーに対し、個々人で対抗することはできなかったのです。というわけで、個々では「小さな買い手」に過ぎない労働者を束ねることでバイイングパワーを増し、既存の大手小売業者に対抗するための協同組合が誕生しました

 1844年12月21日、ランカシャーのロッチデールに「個別の労働者の購買力」を統合することで購買力を強化し、大手小売商に対抗することを可能にする「生活協同組合」の店舗が開かれます。協同組合運動の先駆的存在となった「ロッチデール先駆者協同組合」の誕生です。
 
 何を言いたいのかといえば、「民主制」や「国民主権」にしても、個々人の(日本では)1億分の一の「主権」では、政治力を発揮しようがないというのが「現実」という話です。
 
 だからこそ、「国家」と「個人」の間に各種の中間組織があり、一人一人ではちっぽけな各人の「主権」を束ね、政治力を発揮しようとするわけです。労働組合、協同組合、企業、企業団体、業界団体など、過去の日本では散々に批判をされてきましたが、この手の中間組織がない場合、我々の主権は「最小化」されることになるのですよ。

 つまりは、農協にせよ経団連にせよ、あるいは連合にせよ医師会にせよ、各種の「団体」が構成員の票を取りまとめ、政治を動かそうとするのは民主制として「正統」なのです。

 むしろ、中間組織を排除し、個々人の票にのみ依存した民主制を実現しようとした場合、選挙は確実に「人気投票化」してきます。その先に待ち構えるのは、悪しきポピュリズム、あるいは全体主義以外にはありません。
 
 わたくしは、7月に「経団連」を批判する書籍を刊行しますが、別に政治団体の存在そのものを否定したいわけではありません。
 
 政治の場では、国会議員を通し、各政治団体の「政治力」がぶつかり合います。1997年の橋本政権以降、我が国では「相対的に」国民の安全保障や福祉に貢献する政治団体(農協、医師会など)の政治力が、
「既得権益が!」
 の叫びと共に貶められ、弱体化し、反対側で経団連に代表される「自己利益最大化の政さじを求める」政治勢力が優勢になっていきます。政治力のバランスが、グローバルリズム側に傾いてしまったのです。

 そして、「国民のため」に動く傾向が強い政治勢力が弱体化する隙間を縫うように、
「国民の安全や豊かさなどどうでもいい。とにかく、自己利益を最大化したいんだ。今だけ、カネだけ、自分だけ!」
 と、叫ぶ一部の「政治屋」が力をつけていきました。いわゆる、レントシーカーです。

 日本を代表するレントシーカーは、言うまでもありませんが、パソナグループ会長の「竹中平蔵」氏でございます。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
6月20日から評論家・中野剛志世先生の「通貨論争史 イギリス編」がご視聴頂けます。

 

持続化給付金だけじゃない、日本の至る所にちらつく「竹中平蔵氏の影」

◆規制緩和の先に利益がある

 国の持続化給付金に関する経産省の委託費をめぐり、一般社団法人「デザインサービス協議会」から広告代理店大手・電通へ、さらに電通から人材派遣大手・パソナなどへ業務が何重にも外注されていたことが指摘され、問題となっている。
「新型コロナ禍で生まれた利権にまで食い込んでいるとは……彼の常套手段とはいえ、呆れてしまう」
 さる政府関係者がこう述べるのは、かねて「政商」あるいは「レントシーカー」と指摘されてきたパソナグループ会長・竹中平蔵氏を指してのことだ。
 「レントシーカー」とは、政府や役所に働きかけ、法や制度、政策を自らに都合のいいように変更させて、利益を得る者のことをいう。
 竹中氏は、東洋大学教授、慶應義塾大学名誉教授といった学識者の肩書に加えて、パソナグループ取締役会長、オリックス社外取締役など企業人としての肩書を持つ。その一方で、安倍政権の成長戦略のアドバイザーとして未来投資会議、国家戦略特別区域諮問会議において民間議員の肩書も持っており、規制緩和や民間委託を推進する立場にある。
 竹中氏が旗振り役となって規制緩和を推し進めた先に、竹中氏の利益があるという、いわばマッチポンプ的な構図が出来上がっているのだ。(後略)』
 
 竹中氏のレントシーキングを告発する、ジャーナリスト時任兼作氏の素晴らしい記事です。
 
 時任氏が指摘するように、竹中氏は今回の持続化給付金給付、移民受入、コンセッション方式の水道民営化、東京五輪のスタッフ、空港民営化など、様々な事業、規制緩和に「政治的な影響」を与えた可能性が濃厚なのです。これは、重大な問題です。
 
 理由はもちろん、上記の各事業を「パソナ」が受注しているためです。つまりは、自分が会長を務めるパソナのビジネス拡大のため、政策を歪めた「かもしれない」のでございます。

 問題なのは、竹中氏が未来投資会議などに「民間議員で~す!」と乗り込み、各種の規制緩和を推し進めるのは、別に違法ではなく、さらには国会議員もコントロールできないという点です。何しろ、未来投資会議などは首相の諮問会議であり、構成するメンバーは、別に国会の承認を受ける必要がありません。
 
 すなわち、我々日本国民には、竹中氏を未来投資会議などから追放し、レントシーキングや愚かな規制緩和を食い止める手段がないのでございます。

 本問題は、何年も前から批判を続けてきましたが、ようやく「レントシーカー」といった言葉が多くの人に届くような時代になりました。

 現在の竹中方式のレントーシーキングは、「法律」により禁じるしかありません。そのためには、国会議員に対し、我々国民が「問題である」との声を届ける必要があるのです。

 今回の持続化給付金問題を機に、是非とも本エントリーで解説した「構造」を周囲の皆様に説明して差し上げて下さい。同時に、各種の政治団体は、個別ではちっぽけな我々の政治力を政治の世界に反映するためには、実は必要な中間組織であるという事実も併せて解説して頂けると嬉しいです。
 

「竹中平蔵式レントシーキングんを法律で禁止しよう」に、ご賛同下さる方は、

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