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「地方自治体も貨幣の発行者になれる」(前半)三橋貴明 AJER2020.9.13
    

 

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自民党総裁選挙の党員投票から見えてくる「直接民主制」の危険性 [三橋TV第453回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/tfHKeh1N0S8

 

 

 岸田文雄総理大臣が所信表明演説を行いました。
 何か、日に日に「財務省内閣」の色が強くなってきている感じがするのですが、それでも「改革(レントシーキング系)」色は確かに無くなりつつあります


 つまりは、わたくし共は、
「財務省からも、レントシーカーからも自由になれた政権」
 を望んでいたわけですが、岸田内閣は、
「レントシーカーからは脱したものの、財務省の色は強まった政権」
 である可能性が濃厚なのです。


 もっとも、そもそも岸田総理が「転換」を訴えた「新自由主義」とは、緊縮財政、規制緩和、自由貿易という三つの政策のパッケージです。このグローバリズムの三つの政策は、基本的にはトリニティ(三位一体)なのです。


 これは、財務省の影響力を排除できない岸田総理が、結局は新自由主義からの転換もできないことを意味しています。

『【全文】岸田文雄首相が所信表明演説「日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命」
 岸田文雄首相は8日、衆院本会議で所信表明演説をした。「日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命です」などと述べ、新型コロナウイルス対策や、「分配なくして次の成長なし」と訴える経済政策、「核兵器のない世界」などを目指す外交、安全保障政策について説明した。
 衆院本会議での所信表明演説の全文は以下の通り。(後略)』

 というわけで、岸田総理の所信表明演説を読んでみましょう。
 まずいきなり吃驚したのが、「令和の所得倍増」という言葉がない! 令和の所得倍増という、わたくしが最も評価したフレーズが消されてしまった。
 あれ? 岸田総理は確か自民党総裁選挙で、「令和の所得倍増」を訴えて総裁に当選したのではなかったでしたっけ?


 自民党の党員・党友にも、岸田総理の「所得倍増」という言葉に共感して、票を入れた人が少なくないでしょう。早くも「嘘つき」でございますか。


 次に吃驚したのが、「改革」という言葉がない!


 これも別の意味で凄い。自民党の総理大臣のくせに、「改革」という言葉を使わないとは・・・。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

※要望多数につき、評論家・中野剛志先生 【通貨論争史:イギリス編】【通貨論争史:日本編】が再掲となりました。

 

 ちなみに、財政については、
「マクロ経済運営については、最大の目標であるデフレからの脱却を成し遂げます。そして、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進に努めます。
 危機に対する必要な財政支出は躊躇(ちゅうちょ)なく行い、万全を期します。経済あっての財政であり、順番を間違えてはなりません
 経済をしっかり立て直します。そして、財政健全化に向けて取り組みます。」
 と、財務省と、財政出動派、双方の主張を混ぜ込んだ、いわゆる玉虫色になっています。


 より重要に思えるのは、
「公的分配を担う、財政の単年度主義の弊害是正」
「四半期開示の見直し」
 と、財務省の短期主義や、企業の短期主義(四半期決算)の是正は、明確に訴えている点です。


 新自由主義の特徴の一つは、何しろ「今だけ、カネだけ、自分だけ」でございますから、「短期思想」です。長期の投資については、
「そんなことやっても、今の俺のカネにならんだろ」
 ということで、否定する。結果的に、資本主義の成長のために必須な投資が減る。


 一応、岸田内閣はこの問題に「取り組む姿勢」は示しているわけです。


 それにしても、「令和の所得倍増」が消えたのは、一体、いかなる所存なのか。是非とも野党の皆さんに追求して欲しい。
「貴方は、党員を騙したんですか!」
 で、ございますよ。


 結局のところ、PB黒字化目標を破棄しない限り、総理大臣であっても、やりたいことができない(当たり前ですが)。そこを、野党は徹底的に突き、批判し、PB目標を叩き潰すのです。


 もっとも、首相の所信表明演説はあくまで「所信の表明」です。より、「政策」的な話は、実際には自民党の衆院選の「公約」になるわけです。
 というわけで、明日は自民党の公約について。

 

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