- 本文の内容
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- 衆院選 自民党が絶対安定多数を確保
- 立憲民主党 衆院選不振で枝野氏辞任の意向
- 小選挙区制 衆院選の「死に票」1626万票
- 自民党 茂木敏充外相が幹事長就任
共産党と手を組んだために危機に瀕してしまった立憲民主党
衆院選の投開票が先月31日行われ、自民党は絶対安定多数の261議席を確保しました。
一方、立憲民主党は共産党との共闘が不発で公示前から14議席減らして96議席となりましたが、全国に候補者を擁立した日本維新の会が公示前の4倍となる41議席となり第3党に浮上しました。
公示期間が短くあっという間に迎えたため全体的に準備不足が目立った選挙でしたが、私が創設した一新塾の出身者は、自民党、立憲民主党、日本維新の会、それぞれで健闘してくれました。
全体としては昔の民主党のように、自民党候補が苦戦する都市型の1区現象が如実に現れていました。
そのような中立憲民主党が大コケして、共産党も国民民主党も冴えないため、日本維新の会が比例区で多くの議席を獲得する形になりました。
立憲民主党は独自のイメージを打ち出せずに「立憲共産党」と批判を浴びるなどの反発を受けてしまい、惨敗だったと言えるでしょう。
代表の枝野氏は選挙当日、「善戦した」などと述べて自画自賛していましたが、一夜明けて批判が集中すると辞任の意向を示しました。
福山幹事長は選挙当日から幹部の辞任は避けられないと発言していましたが、それが当たり前でしょう。
明らかに枝野氏の認識が甘く、ズレていると私は感じました。
枝野氏が辞任する場合、後任選びにも一苦労しそうです。
来年の参議院選挙を見据えて知名度が高い蓮舫氏などの名前が挙がっているらしいですが、私に言わせれば論外です。
立憲民主党は今回の選挙で共産党と手を組んでしまったがために、今や崩壊の危機に陥ってしまいました。
だらしない立憲民主党、漁夫の利を得た維新の会
日経新聞が報じたところによると、今回の衆院選で小選挙区の候補者に投じられた票のうち、当選や比例復活につながらなかったいわゆる「死に票」が約1626万票あり、全体に占める割合は28.3%となりました。
選挙結果を反映し、与党は少なかったのに対して、共産党は90.9%に達したとのことです。
たしかに90%は高い割合ですが共産党は以前と変わっていません。
どのような選挙区にも立候補者を立てるので、死に票が多く、比例区で復活する人も少ないのが共産党の特徴です。
一方、立憲民主党にとって、死に票が43%で比例区の復活も少なかった今回の結果は明らかに失敗です。
選挙戦術が拙劣であったと言わざるを得ないでしょう。
共産党と手を組んだ「理由」を明確に説明できなかったことが最大の失敗要因だと私は思います。
「政権を取るため」では理由になっていません。
自分達がどれほど長い期間政権から離れているのかを自覚していないのでしょう。
そして、そのような理由を述べられたところで、国民感情から言えば納得できないのは当然です。
立憲民主党が共産党と手を組んで大失敗した結果、国民からすれば投票したい人がいなくなり、日本維新の会は漁夫の利を得ました。
議席を増やすことはできましたが、政策が評価されたわけでもなく次の展望が見えないという点に懸念が残ります。
茂木敏充外相は幹事長に適任か?
自民党は4日、甘利幹事長の後任に茂木敏充外相を充てる人事を発表しました。
甘利氏が衆院選の小選挙区で敗北し岸田首相に辞意を伝えたことを受けたもので、外相は林芳正元防衛相に内定。
10日に予定する第2次岸田内閣の組閣までは、岸田首相が兼務するとのことです。
茂木氏は、頭は切れるが怒りっぽい性格などと批判されることがあります。
また、出張などの申し送り事項も細かすぎて、担当する役所の人がピリピリしてしまうといった話を私も聞いたことがあります。
私が平成維新の会を立ち上げた際最初の事務局長を務めてくれた人物で私もよく知っていますが、たしかに他人を安心させるような性格ではないかも知れません。
一方、自らの頭の良さを前面に出し、外務大臣としてしっかりと実績を積んだ点は評価できると思います。
新しく外相に内定した林氏はオールマイティーなタイプで、性格面などで批判を受けているのをほとんど耳にしたことがありません。
そう考えると、茂木氏と林氏を逆の立場にしたほうが良かったのではないかと思います。
もし私が岸田首相の立場であれば、茂木氏にはそのまま外相を、そして林氏に幹事長を任せます。
茂木氏が幹事長になることで周囲が必要以上に緊張してしまう事態は避けたほうが良いと私は思います。
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※この記事は11月7日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
今週は立憲民主党のニュースを大前が解説しました。
大前は今回の立憲民主党の衆院選の結果について「立憲民主党が共産党と手を組んだ理由を明示できなかったことが最大の失敗要因」と述べています。
その場しのぎの戦略では、組織を率いていくことはできません。
戦略の前に、ミッション・ビジョンがあります。
なぜ、我々は何をするために存在するのか。
そこから戦略立案が始まります。
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