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「貨幣論信用創造学をびたい人は」(前半)三橋貴明 AJER2020.12.28
    

 

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安倍晋三・元総理が「日本銀行は国の子会社」と「事実」を語った日 [三橋TV第489回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/Z1a_c3Do_XU

 


 財務省には「事業」が無い。つまりは、財務官僚の「評価」「査定」は、本来は極めて困難。
 

 弊社の経理・会計をやっているのは、わたくしです。というわけで、弊社に経理担当はいません。
 経理・会計とは、もちろんあらゆる事業体にとって極めて重要な業務であり、大切なお仕事です。とはいえ、評価に際して「差が出にくい」のは確かです。
 何しろ、経理・会計は「正しく処理する」ことがベストであり、それ以上は(本来は)ありません。逆に、正しくない処理をされると、ひたすら減点されます。


 つまりは、加点をしにくく、減点は容易なのが経理・会計というジョブなのです。


 大蔵省時代の設置法は、
「国の財務、通貨、金融、証券取引、造幣事業、印刷事業」
 を任務として設定していました。確かに、中央政府の会計業務であるため幅は広いのですが、基本的には、
「加点をしにくく、減点は容易」
 であることに変わりはありません。


 それが、財務省設置法の、
健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする」
 となると、財務省の「定義」により、「評価が容易な事業」をいくらでも生み出せることになってしまいます。


 特に、「健全な財政の確保」「通貨の信認の維持」の場合、自分たちで勝手に、
「健全な財政とは、PB黒字化だ」
「通貨の信任とは、財政均衡が成立している状態だ」
 と定義を決めてしまえば、そのため=緊縮財政のために「汗をかく」ことで官僚自身の評価が可能になります。


 その上、貨幣のプール論、PB黒字化目標を前提にすれば、財務官僚は他省庁の官僚、政治家に対し、
「あ~、予算には限りがあるんですよ。国に無限にカネがあるわけではないでしょ。この予算は、削除ですね」
「仕方がないですね~。特別ですよ。限りある予算から「私」が何とかします。感謝してくださいね」
 と、絶大な権力をふるうことができる。まさに、高家さんがいみじくも言っていた通り、「お小遣い制の家庭で、財布を握っている人」になれるわけですね。


 日本国凋落の真因。財務省の権力構造。


 これはかなり救いがなく、何しろ解決のためには財務官僚を「本来の会計・経理」業務の担当に「戻さなければならない」のです。率直に言って、不可能でしょう。


 となれば、それ以外の手段で「財務官僚が経済成長にコミットする」構造を作らなければなりません(これも、相当に困難ですが)。
 

 日本国内の政治的パワーでは不可能な気がしますが、少なくとも「世界の趨勢」は我々の背中を押してくれるでしょう。

 

【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(後編)】

現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (後編)」がご視聴頂けます。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

安倍元首相、新春特別インタビュー 強まる中国の軍事的威圧に〝2つのすべきこと〟 日本経済の気になる今後「雇用維持にも、積極的な財政出動が必要
(前略)――自民党の「財政政策検討本部」の最高顧問になった理由は
「現在、自民党には『財政政策検討本部』と『財政健全化推進本部』という2つの本部が存在する。この状況を、メディアは『積極財政派と財政規律派のつばぜり合い』などと報じていた(笑)。私も高市早苗政調会長も『積極財政派』といわれる。世界の趨勢(すうせい)は『財政を健全性だけで評価するのは間違っている』というのが主流になりつつある。景気の腰を折らず、雇用を維持するためにも、積極的な財政出動を続ける必要がある」
――財務省の矢野康治事務次官が月刊誌「文藝春秋」2021年11月号に、「日本の(財政)状況を喩(たと)えれば、タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなもの」と書いた
「日本はタイタニック号ではない。わが国は30年連続で世界最大の純債権国であり、350兆円を超える対外純資産がある。これは世界での圧倒的な信任になっている。『財政政策検討本部』は一定の方向に決めずに、あるべき財政政策について、深く、大きく議論していく」(後略)』

 世界の趨勢は、財政を健全性だけで評価するのは間違っているというのが主流になりつつある。
 そもそも「健全な財政」が不明ですが、いずれにせよ財政とは経済情勢の「結果」であり、目標にするべきではありません

【非金融法人企業、一般政府、家計、海外の資金過不足(兆円)】


http://mtdata.jp/data_78.html#kabusoku

 日本の資金過不足のデータを見れば、分かりますが、日本政府はバブル期(88年から91年)に資金余剰となっています。すなわち、財政が黒字化した。
 理由は、企業が極端なまでに資金不足(借入)を増やし、かつ税収が増えたため、政府が財政赤字にする必要が無かったためです。


 とはいえ、民間が極端なまでに負債を拡大するとは、要するにバブルです。バブルは弾け、日本はデフレ化の道を歩み始めました。


 財務省が本気で「PB黒字化のみ」を追求するのであれば、日本経済を再びバブル化すればいい。民間がおカネを借りまくる状況を作れば、PBは黒字化します。


 とはいえ、PB黒字化目標を掲げ、緊縮財政というデフレ化政策を継続している限り、日本経済はデフレ脱却できず、もちろんバブルも起きず、PBも黒字化しません(そもそも、PBを黒字化する必要はないのですが)。


 この手の「議論」を、財務省が封じていた。ところが、安倍総理の記事にもありますが、矢野次官の、
「日本の(財政)状況を喩(たと)えれば、タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなもの」
 によって、財政の議論が始まった。


 改め、昨年の財政をめぐる議論のMVPは矢野康治・財務事務次官です。皮肉でも何でもなく、御礼を言いたい。矢野次官、ありがとう。
 

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