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10月7日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月6日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「前代未聞の目くらまし 電光石火の解散・総選挙に国民ア然」

 どんな内閣なのかも分からないのに、政権発足から1カ月足らずで有権者は一票を投じることになる。なぜ、投票日を前倒ししたのか、狙いはハッキリしている。政権発足に対するご祝儀の雰囲気が残り、政権のメッキがはがれる前に選挙をやってしまえ、と考えたのはミエミエだ。

 「新政権はスタート直後が一番支持率が高く、その後、低下するのが一般的です。選挙は早いほど得策だと計算したのでしょう。岸田内閣は新入閣組が13人と多く、手腕には不安がある。幹事長は“政治とカネ”を抱えた甘利明さんです。いつボロが出てもおかしくない。バケの皮がはがれる前に、ということでしょう。野党の選挙態勢も整っていない。投票日が11月7日や11月14日だと、新型コロナの感染がリバウンドしている恐れもあったのでしょう。昨年も11月上旬から感染が拡大している。いずれにしろ、党利党略なのは明らかです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 それにしたってこの日程は、いくらなんでも無理筋だ。通常、解散から投票まで最低でも20日間は必要だという。事務方の準備が必要だからだ。戦後最短は1983年の20日間だ。「11月7日投開票」が本命だったのも、20日間の確保が前提だったからだ。ところが、今回は17日間しかない。

 電光石火で“解散総選挙”の日程を表明した岸田は、これで勝てると踏んでいるのだろうが、はたしてこの“禁じ手”は吉と出るのか、凶と出るのか。

 計算通りにいくと思ったら大間違いだ。策士、策に溺れるのが政界の習いである。

 半分冗談で「公示日の10・19も、投票日の10・31も仏滅だ。縁起が悪い。かつて森喜朗首相が仏滅に総選挙をやった時も大敗した」という解説も飛び交っている。

 前出の五十嵐仁氏がこう言う。

 「岸田さんは策を弄したつもりなのでしょう。でも、岸田さんの良さは、誠実さやマジメさにあったはずです。どうして正攻法で勝負しようとしないのでしょうか。正々堂々と予算委員会での質疑に応じ、政界のコンセンサス通り、11月7日や11月14日を投票日にすればいいじゃないですか。党利党略で1~2週間、日程を前倒ししたために、岸田さんの良さが薄まり、イメージダウンにつながる可能性もありますよ」

 すでに多くの国民も岸田の思惑を見透かし始めている。ツイッターでは〈逃走解散〉〈ご都合主義〉〈慌てて解散〉といった批判が続出。今後、岸田の狙いを知れば知るほど、国民の批判はさらに大きくなっていくに違いない。

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