池田 信夫

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プライドさえ捨てれば「愛人」は気楽で安上がり

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トランプ大統領を迎えた高市首相のふるまいは、見ていて恥ずかしかった。サッチャーもメルケルも、メローニでさえあんなはしゃぎ方はしなかった。あれも一種の演技かもしれないが、世界に「日本はアメリカの属国だ」と発信したようなものだ。2017年にトランプが来日したとき、大統領専用機で米軍横田基…
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10月 29日 法/政治 はてなブックマークに追加

サッチャーの「保守革命」は異端だった(アーカイブ記事)

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自民党総裁になった高市早苗氏はサッチャー元首相を尊敬し、その自叙伝を愛読しているらしいが、その政策はサッチャーとはまったく違う。サッチャーが「小さな政府」をスローガンとしたのに対して、高市氏は減税とバラマキの「大きな政府」である。それはサッチャーの登場する前の「英国病」に似ている…
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10月 6日 はてなブックマークに追加

30年前に死にそこなった「ゾンビ企業」が今も日本経済を呪う

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アトキンソンさんと話して思ったのは、不良債権処理はまだ終わっていないということだ。彼が徳政令を提案したころは20兆円ぐらいだった不動産の評価損は、2003年には112兆円に拡大したが、清算したのは不動産だけで、それ以外の不良債権の処理は先送りした。2000年代に日銀がゼロ金利にしたのも、こうし…
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11月 2日 経済 はてなブックマークに追加

日本はなぜ「属国」になったのか(アーカイブ記事)

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高市首相のふるまいを「属国しぐさ」と批判すると、ネトウヨから「属国で何が悪い」とか「対米従属しか日本の生きる道はない」といった反応が来る。属国でいいなら、憲法改正も安保法制も必要ない。左翼が反米なのはわかるが、右翼まで自民党の結成された目的を知らない時代になったのか。自由党と日本…
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11月 1日 はてなブックマークに追加

サッチャーの金融資本主義がイギリスを英国病から救った

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高市首相はサッチャーを尊敬しているそうだが、両者は女性という以外に共通点がない。サッチャーは何よりも財政バラマキや政府の民間への介入をきらう、小さな政府を信念とする政治家だった。それは既得権保護を党是とするイギリス保守党では異端の思想だった。1970年代のイギリスは労働党政権のもとで…
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10月 28日 はてなブックマークに追加

医療費の「応能負担」は税金を払わない老人を優遇するまやかし

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医療費の窓口負担について、厚労省は専門家部会で見直しを始めた。これは自民党と維新の連立合意書で、医療費窓口負担の「年齢によらない真に公平な応能負担の実現」をうたったことを受けたものだ。この「応能負担」というのは、厚労省しか使わない役所用語である。Q. 応能負担とは何ですか?医療費の「…
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10月 27日 経済 はてなブックマークに追加

安保法制から10年たって「やっぱり地球は丸かった」と気づいた立民党

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立民党の創業者、枝野幸男氏が「安保法制はやっぱり違憲ではなかった」という話をしたことについて意味不明の釈明をしている。「従来認められなかった集団的自衛権の一部について行使を容認する」との安倍内閣の説明が適切でなく、その説明を前提とする限り現状も違憲です。この点は当時の主張と変わり…
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10月 26日 法/政治 はてなブックマークに追加

近代人は遊びを忘れて幸福になったのか

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本書は20世紀を代表する歴史家ホイジンガが、その研究成果を晩年に「遊び」というテーマでまとめた古典である。ホモ・ルーデンスとは「遊ぶ人」という意味だ。学生時代に読んでよくわからなかったが、ベラーの本を読んで、その意味がようやくわかった。遊びは多くの動物にも見られる。類人猿はいたずら…
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10月 25日 はてなブックマークに追加

残業規制の緩和で潜在成長率が上がる

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かつて「働き過ぎ」といわれた日本人だが、今では一人あたり労働時間はOECDの平均なみで、総労働時間は1990年代から20%以上も減っている。この原因は時間外労働の規制と非正規労働者の増加である。これが1990年代以降、日本の潜在成長率の下がった一つの原因だ。特に2010年代の安倍政権の「働き方改革…
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10月 23日 経済 はてなブックマークに追加

片山財務相に期待したい生活保護のコストカット

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高市新内閣で最大の注目を集めているのは、片山財務相である。彼女は財務省では1982年入省組のトップで、将来の事務次官候補ともいわれていた。そういう本流のOBが財務相になるのは珍しい。ただこのポストが最後まで決まらなかったのは、高市氏と片山氏のトーンの違いがあるのではないか。片山氏は女性…
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10月 21日 法/政治 はてなブックマークに追加

衆議院は完全小選挙区、参議院は完全比例代表にする「政治改革2.0」

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維新が自民と連立政権をつくると合意した。問題の議員定数には国民民主の玉木代表が「賛成」だと言っているので、法案は国会に提出されるだろうが、他の全野党が絶対反対で紛糾し、通るとは思えない。こんな党利党略で議員定数をいじるのはよくないが、これが「改革の入り口」という吉村代表の話はわか…
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10月 20日 法/政治 はてなブックマークに追加

「コストプッシュ・インフレ」という謎理論をまじめに考えてみた

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「インフレの最中に減税とか財政出動するのはおかしい」というと、「コストプッシュ・インフレには財政出動がきく」と反論してくる人がいる。自民党の西村康稔氏もその一人だ。今の物価上昇はコストプッシュ(上昇)が主因で、需要過熱ではありません。目指すべきは、ディマンドプル(需要牽引)での緩やか…
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10月 18日 経済 はてなブックマークに追加

バブルは2度崩壊した

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バブルを考えるとき大事なのは、「あのときこうすればよかった」という結果論は無意味だということである。本書はバブル崩壊とその後処理について、同時代に取材した朝日新聞社会部の記者が書いたものだが、これを読んで気づくのは、銀行が不良債権を処理し始めたのは早かっ意外にたということだ。イト…
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10月 16日 はてなブックマークに追加

維新は社会保障改革を捨てて高市自民党に埋没するのか

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維新が自民と連立する方向に踏み出した。自民+維新で231議席なので、あと2議席で過半数。これで首班指名では高市首相になることが確実だが、その後はどうなるのか。吉村代表は「維新が消滅するリスクもある」というが、彼らの主張する政策はどうなるのか。
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10月 16日 法/政治 はてなブックマークに追加

イノベーションは「積極財政」では起こらない

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今年のスウェーデン銀行賞(ノーベル経済学賞)は、J. MokyrとP. Aghion、P. Howittの3人が受賞した。その授賞理由は「イノベーションによる経済成長」の研究である。Aghion-Howittの研究は1990年代から数多く発表され、経済学界の共有財産である。本書はそれを一般向けに書いた入門書だが、日本にはいま…
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10月 14日 はてなブックマークに追加

戦争と植民地支配が近代科学を生んだ(アーカイブ記事)

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今年のノーベル経済学賞にJoel Mokyrが選ばれた。彼は経済学者というより歴史家だが、本書はイノベーションの起源とその意味を明らかにした経済史の記念碑的な著作である。人類の歴史の大部分で世界最高の文明国だった中国で「産業革命」が起こらず、なぜヨーロッパの小国イギリスで起こったのか、とい…
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10月 14日 はてなブックマークに追加

不動産バブル崩壊の「戦犯」は大蔵省だった

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私は1992年11月に「追跡・不良債権12兆円」というNHKスペシャルをつくった(これはそのニュースハイライト)。これは住専(住宅金融専門会社)が巨額の不良債権を抱えているという番組で、不良債権というタイトルをつけた番組は日本で初めてだった。当時、住専の最大手、日住金(日本住宅金融)が取引先に出し…
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10月 13日 経済 はてなブックマークに追加

自民党と公明党の勝者なき「チキンゲーム」はどこへ行く

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公明党は9日夜の中央幹事会で、連立継続か離脱かの最終判断を斉藤鉄夫代表・西田実仁幹事長に一任した。10日(金)午後に自民党(高市早苗総裁)との党首・幹事長会談で結論を出す段取りだ。(毎日新聞) 連立協議が難航し、首相指名や新体制発足の国会日程にも影響が出始めているとの見方が強い。(ブルームバ…
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10月 10日 法/政治 はてなブックマークに追加

バブルは崩壊するまでわからない

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バブルが続いているときは、誰もそれをバブルとは思わない。日本でバブルという言葉が使われるようになったのは、1990年に株価が下がり始めてからだ。地価が下がり始めたのは1991年からで、バブルの象徴として有名なジュリアナ東京が開業したのは、1991年5月である。ジュリアナ東京 私が最初に地価上昇…
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10月 10日 経済 はてなブックマークに追加

円安・債券安の次に来るのは株式バブルの崩壊だ

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円安が急速に進行している。高市総裁が決まってから、5日間で5円もドルが上がった。この最大の原因は高市氏のバラマキ路線である。今年の初めにドルが160円まで上がったのは、日米の金利差が開いたためだった。図のように金利差とドル円はほぼパラレルに動いていたが、今年の夏から金利差とは逆に円安に…
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10月 9日 経済 はてなブックマークに追加
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